ポモドーロメソッドを凌駕する「30/30」アプリによるペース管理

30 30 1

人間は機械ではありませんから、常に100%の集中力を出し続けて作業しているとすぐに精も根も尽き果ててしまいます。

一日に作業をする時間が数時間でいいのなら別ですが、一日中集中力を持続したり、時間のかかる作業を継続して行いたいなら、作業に緩急のペース配分をつけるのが得策です。

そこで25分作業、5分休息などといったペースで仕事をする Merlin Mann のダッシュ法、あるいは後に登場したポモドーロ・メソッドなどというものがあります。

ただ、15分執筆、10分整形、5分で投稿、といった一連の作業をテンプレート化したいときには、既存のポモドーロ的なアプリはあまり役に立ちません。

そこで使いたいのが以前紹介したiPhoneアプリ、「30/30」ですが、先日この 30/30 がアップデートして、待望の複数リストやiCloudに対応しました。

仕事をテンプレート化してとにかくまわせる 30/30 ペース管理の威力をご紹介します。### 複数リストと iCloud対応

30/30の基本的な使い方は変わっていませんが、Ver2 では複数リストへの対応、5分増減へのショートカットなど、いくつか操作を楽にするアップデートが行われました。

IMG 3093

今回の目玉はなんといっても複数リスト対応です。このおかげで、ブログ執筆や、朝のルーチン、毎日の掃除のルーチンなど、いくつかの固定したタイマーを作り、引き出すことができます。また、iCloud対応によって複数の iOS デバイスでの同期ができるようにもなっています。

ルーチンの各ステップが進むとともにバイブレータやアラームが鳴るか、最後までいった際にループするかといったオプションも充実しています。

30 30 2

30/30 は無料のアプリですが、アプリ内で追加のアイコンを購入したり、開発者への感謝を少額で表明することができます。無料で無制限に使っていいという太っ腹ぶりなのですがら、せめて 250円くらい払っておくことにしましょう(笑)。

30 30 3

30/30 を「使いこなす」

30/30 を使いこなすには、それこそ「使いこなさない」ことが最も大事です。

30/30 は仕事のペースを作り出すためのものですから、無理なペースを作り出すのではなく、自分に最適なペースを生み出すのに使いましょう。

たとえば自分で25分作業・5分休憩というペースを作ったけれどもそれをいつも破っているようなら、そのペースは作業にあっていないのかもしれません。

30/30 のアラームが自分のペースと寄り添うようになれば、まさに根を詰めすぎたり、無理をしたりといったことがないようにできますし、そのうち 30/30 を使う必要さえ感じなくなることでしょう。

このアプリを使いこなすというのは、支離滅裂な合唱の練習にメトロノームを導入するようなものです。慣れてきて、ペースが乱れなくなったなら、メトロノームは止めてもいいのです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。