ストレスチェックの結果が壊滅的だったので、ラクに生きることを最優先にする

ストレスは悪いことはもちろん、良いことがあっても、いついかなるときでも発生していると私の高校の心理学の先生が教えてくれたのをいまも覚えています。なぜ、良いことがあってもストレスを感じるのですかと質問したところ、先生は「すべての変化はストレスになる」と答えたのでした。

先日、FacebookでシェアされてきたNHKの番組「キラーストレス」の特設ページが、そのことを思い出させてくれました。過去一年の引っ越しや、仕事の変化などといったライフイベントに起因するストレスを数値化するというテストなのですが、合計点の部分には以下のように書かれていました。

260点以上:ストレスが多い要注意の段階
300点以上:病気を引き起こす可能性があるほどストレスが溜まっている可能性がある段階

それならば、自分はせいぜい100点か、200点くらいだろうかとテストをうけてみると答えは意外なことになりました。な、792点!?

このテストは繰り返し似たような項目が出てきますのでどれか一つを選ぶことを注意しなければいけませんし、解釈が難しい項目もあります。引っ越しと住宅環境の変化、人事異動と労働条件の変化といったように、交絡している項目もいくつかありますので、ある種の変化に対してはどんどんと加点がされてしまう性質があります。

それでも、なるべく重複がないように、最低限の項目を埋めた場合でも446点ということになりました。私の場合、この一年で引っ越し、職場の変化、子供の学校の変化、収入の変化、親族の健康不調といったできごとがすべて重なっていての点数だったのです。

まさに、すべての変化はストレスになるという教えが、数字になってやってきたのでした。

点数を真に受けてみる

実のところ、自分ではそこまでストレスを感じているつもりはなかったのですが、時折やってくる精神的な不調、体調不良といったところで思い当たる節がないわけでもありません。

睡眠時間は短めですし、通勤は往復合計で5時間という小旅行を毎日こなしています。座っていられますし、乗り物は好きなほうなのでそれほど意に介していないのですが、じわじわと疲れが溜まっているのもときには感じます。

そこに一つの体調不良がやってきて、調べたところそれはうつ病につながるケースも多いということがわかって、ついに頭が切り替わりました。

感じていないような気がしていても、どこかにダメージがあるに違いないので、ストレスを下げるための日常にシフトしよう。楽しいを最優先しようというわけです。すくなくとも、この指数が落ち着くまでは。

ただし、これがなかなかに難しいわけです。楽しいことを、ストレスが解消されるようなことをするためには、その前にストレスが発生することもままあります。

旅行にいくにしても、それを実現するためには負担がかかりますし、本を読むにもストレスが感じられるときだってあります。楽であることも計画的に、計算して導入しなければいけないのだなということが、すぐにわかりました。

そうしたこともあって、遊んでいるわけではなくても、ストレスが下がるような、日常での行動を選ぶことをいま試しています。たとえば:

  • 小さな挑戦と、小さな勝利を日常に組み込む: たとえば新しいレシピで料理を行なう。新しい技術に挑戦してみて身につけてみるといったように
  • 繰り返すことで安心できるものを探す:ブログ更新などはそれに相当していますし、執筆、筋トレ、定期的な喫茶店での読書といったように、自分の意思でいのままにできる繰り返す行動などです
  • 選択肢を用意しておく: なるべく選択の余地がない場所に追い込まれることを先回りして防ぎ、たとえば仕事をしてもいいししなくてもいいという時間を増やすように努めます

つまりは、日常の小さなことがコントロールができていることが、いまは鍵のような気がしています。

このあたり、もう少し自分でもこの日常をうまく設計できるようになってきたらまた報告したいと思います。

いや、報告してもいいですし、しなくてもいい。それくらいの軽さと選択の自由こそが、いま一番必要なのでしょう。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。