未来に半歩だけ踏み込んでゆく2013年のトップ10記事から2014年へ

2014

2013年ももうすぐ終わるタイミングでこの記事を書いていますが、みなさんにとっての2013年はいかがだったでしょうか?

私は生まれたばかりの二人目の子供と格闘しつつも本業では北極にいったりと、公私ともに盛り沢山の一年でしたが、Lifehacking.jp としても思い出深い一年でした。

一方でやり残したこともあまりに多く、来年はもう少し計画的にいろいろな話題を紹介できればいいなと反省しています。お伝えしきれていない大切な話がいっぱいあるんですよ!

そこで例年の、アクセス数の順での記事紹介ではなく、読者からの反響と自分の思い入れから選ぶ2013年のトップ10エントリをご紹介して、2014への予告編としたいと思います。### 1. アーロン・シュワルツの「生産性について」を読み返す

アーロンがこの世を去ったのはちょうど1月のことでした。その後の一年でスノーデン氏によるNSAのPrism計画の告発があったり、ネットと言論の自由の話題もさらに加熱してきた印象があります。

アーロンだったらこの状況をどう評するのか、とても興味ありますがいまとなってはもう聞けません。ああ、一年たってもさびしいですね。

2. Google Reader がなくなるのは実はよいことかもしれない

Google Reader が消えることはウェブにおける情報の消費のされかたに進歩を生み出すのではないか? という思いで書いた記事。

実際、Feedly のようなサービスでもって Google Reader の代替ができたという印象もまだ薄く、現状では「次の進歩」を待っている状態なのかもしれません。

3. Pocketボタンが可視化する「見えないバズ」とウェブコンテンツの新しい指標

そこで登場するのが Pocket というサービスです。Pocket はウェブの URL を「あとで読む」という機能を提供するだけでなく、ある人の「あとで読む」リンクのフィードを購読したり、共有するのためのプラットフォームでもあります。

ブログにはられたPocket数が、どうみてもはてなブックマークや、ツイッターによるつぶやきの数などと違う動きをすることがあります。ここに、ウェブにおける情報の消費のもう一つの形をみることができます。

4. 自分という器を壊さないために

今年の春は家族の体調不良にみまわれたり、北極の航海でも限界まで自分の器を試す出来事が次々とやってきました。

歯を食いしばって頑張ることができることも尊いことですが、一方で自分の器が壊れないように「限界の手前」で立ち止まることも、他の誰にもできない大切な見極めなのです。

5. 黄金の時をもとめて

子育てに忙しかったり、仕事に忙しくしている人は多かれ少なかれ、「この制限がなければ◯◯できるのに」という思いをもっているかもしれません。

しかしあとにならなければ、どの時間が最も価値のある一瞬だったかはわからない、それが人生のおろそしい逆説でもあったりします。この年末、自分のどの一瞬が「黄金の時」なのか、意識してみるのもいいかもしれません。

6. Google+のCanCam新世代モデルオーディションが未来志向ですばらしい

この記事を書いたあとも大きな盛り上がりをみせ、3人の新世代モデルが誕生したこちらの試み。Google+もこのイベントのあとでは多少投稿が多様化した印象があります。

Google+も2014年には3年目を迎え、FacebookやTwitterの利用状況の変化にあわせて一段と存在感を見せ始めているといってよさそうです。

7. ストレス下でも「次の仕事」を見失わないDoingリストの効用

さて、来年の目標として「ライフハックの原点をもう一度紹介する」があります。2005年頃に紹介されてきた記事や話題のなかで、このまま忘れられてしまっては惜しいものを、もう一度いまの時代の文脈で紹介しなおせればと考えています。Doingリストなどはそのいちばん良い例ですね。

8. 愛されるサービス、製品、ブログを生み出す「逆・漏斗」型の発想

「ひらくPCバッグ」の人気や、Evernoteの人気などのように、製品やサービスの周囲にいるユーザーの熱烈な支持が一つのムーブメントを作り出す様子を、このブログでも数多くみてきました。

同時にEvernoteアンバサダー、ScanSnapアンバサダーという形で、そうした流れのただなかに身をおくこともできた一年でした。

このことを説明する時に、常に登場するのがこの「逆・漏斗形」のサービスの作り方です。これは2014年もさらに加速する流れだといえそうです。

9. そろそろGoogle+を真剣に検討したほうがよい3つの理由

一部ではFacebookの使われ方に変化がある(若者の減少、トラフィックの多様化)という報告があるなか、Google+は抜け目なく SNS としてではなく、写真や動画というコンテンツの流通場所として進歩を遂げています。

Google+はFacebookやTwitterに取って代わるものではなく、Googleが「人」という要素を取り込むための仕掛けだと考えると、さまざまな未来が見えてきます。

10. ハングアウトで個人授業を開ける Google Helpouts は新たな経済圏を生み出すか

そして最後もGoogle的な話題で恐縮なのですが、むしろこちらはこれまで「講義」「セミナー」といった特権的なコンテンツを、だれでも全世界に流通することができるという仕組みとしての Helpouts についての記事です。

近くに先生がいなくても教わることができる。生徒が近くにいなくてもネットが「近道」を創りだしてくれる。これは実はすごいことの始まりなのではないでしょうか。

2014年も「人生を変える小さな習慣」の一歩先へ

2014年も本ブログは「ライフハックについて語らないライフハックブログ」として、人生を、仕事を変えるための小さな習慣や考え方、あるいは変化するウェブの「ほんの少し未来」を探し求めるブログとして更新したいと思います。

みなさんの2014年が実り多いものでありますように。今年もよろしくです!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。