空間をデザインする「ひらくPCバッグ」の7変化。その秘密は◯◯◯にあった!

一つのバッグがこんなにも変化しうるなら、それは7つのバッグを買ったのと同じことにならないでしょうか?

みたいもん!のいしたにまさきさんがプロデュースした「ひらくPCバッグ」の新モデル・オリーブグレーをこの数ヶ月使用させて頂いていました。

以前のバージョンをみた瞬間、これは「持ち歩く書斎を実現する発明」だと直感すると同時に、それがなぜ持っていて疲れにくいのかを物理的で説明しました。

しかしどれだけ物が入り、疲れにくいのかというのはバッグのストーリーとしては前半にすぎません。100人100通りの使い方に、どれだけ柔軟に対応できるかという後半のストーリーこそ、手にしたことのない人にはより重要です。

そこで重要になるのが「ひらくPCバッグ」内部の、あのしくみです。

「ひらくPCバッグ」7変化

思えば、これまでは利用してきたバッグでは、バッグに対して持ち物をあわせていましたので、ここに物が入らない、ここにこれが収まらないという悩みがつきまといました。

しかし「ひらくPCバッグ」は内部に仕切りがありますので、その日の中身にあわせてバッグの内部を変えられる、いや、変えるべきなのです。

「仕切り」を自在に変えた以下の7通りのシフトをご覧いただければおわかりいただけるかと思います。

パソコンを中心に:ノマドワークシフト

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ここから先、名前は私が勝手につけているものですが、私にとってこれが一番基本となる「ノマドワーク・シフト」です。外で原稿を書いたり、執筆をがっつりするときのフォーメーションですね。

右のポケットにモバイルバッテリー、さらに仕切りにモバイルWiFi、左の仕切りには出先で使うための電源、中央には長時間の執筆を行う際に膝の上にPCを置かずに仕事をするためによく使うBluetoothキーボードも入っています。

キーボードはなくてもよいのですが、そこにモレスキン、情報カードの束、ケーブル類を足してもまだスペースは十分にあります。ここから先、この仕切りのあるなし、場所に注目して下さい。

外で取材と資料の読み込み:ノマドワーク・シフト2

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最近はバッテリーのもちが良くなっていますので、ほとんどの外出では電源を持ち歩く必要はありません。すると取材用のカメラと資料を入れる場所ができます。

仕切りの場所は先ほどと少ししか変わっていませんが、最近主につかっているOLYMPUS OM-D がバッグのなかで動かないように包み込むように仕切りをセッティングすると、中央部分にはちょうど洋書がすっぽり収まる空間が生まれます。

本を持ち歩く必要がない場合、まるごとここは空き空間になるわけです。

イベント取材を念頭に:取材シフト

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イベント取材に行く際はもう少し装備が増えます。ズームレンズ、名刺、カメラを固定する Peak Design Capture、iPhone用の電源などです。

入っているものよりも、カメラを包み込んでいる仕切りの右側にもう一つ、今度はレンズを包み込んで動かないようにする仕切りができている方に注目してください。

手帳との時間を念頭に:モレスキンシフト

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さて、PCバッグではあるものの、PCを意識しなくて済む際は書類ケースとしても機能します。こちらは時折、手帳と紙を手にして頭の中身をどんどんとリスト化して書き出すときの構成です。PCがあるとどうしても別のことをしてしまうので、あえて iPad mini のみにしてあります。

仕切りはモレスキンを縦にいれるのに楽な場所に設定してありますが、これもそのとき持ち歩こうと決めたもの次第です。

子どもとのお出かけに:パパバッグ・シフト

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以前の記事で「これはパパバッグになるかも」と書きましたが、子どもと歩くときにもひらくPCバッグは役に立っています。

この場合は撮影用のカメラの右側に携帯用のおむつ入れと、泣き出した際に口の中に放り込む煎餅をいれたタッパーが入っています。

もちろんこれは最小限の構成ですが、ここに多少の着替え、おもちゃ類をいれても大丈夫です。

長いフライトの機内持ち込みに:海外旅行シフト

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飛行機の中だろうと、船の中だろうと使っていますが、特に飛行機の場合は席のすぐ下に置くことで足を悠々と伸ばし、必要に応じてパソコンからiPad、本に文房具と、なんでも取り出せます。

私は飛行機の中で手帳遊びをすることが多いのでカラーペン。そして仕切りの左側で存在感のあるのはヘッドホンです。

見られたくないパスポートは歩いている際ファスナーのあるポケットにいれ、機内では肌身離さないようにします。

読書しかしないぞ:本だらけシフト

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ちょっと極端な構成もみてみましょう。たとえば本しか読まない場合でも、雑誌、大きなハードカバー本文庫本を、表紙に傷がつかないように仕切りで包み込み、残りの部分に手帳や筆記用具を入れておけます。

以前のバッグだと、本と他のものが場所を共有しがちであったことと比較してみてください。うっかりいれた他の小物で本を傷つけてしまったという経験、ありますよね? 仕切りで守っている限り、その可能性はかなり低くなります。

今日は手帳と遊ぶだけ:超モレスキン・シフト

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これも極端な構成。モレスキンで遊ぶぞという意気込みでSTABILO Pen68 40色 セット、角丸カッター 、メンディングテープなどがぎっしり入っています。

ヒントのための書籍もいろいろ。

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ここで仕切りはメンディングテープを包み込むように使用しています。これだけでバラバラにならず、バッグの残りを有効活用できるのですから仕切りすごい!

いつも同じ仕切り位置ではもったいない

つまり三角の構造、持ちやすい肩紐の位置、そして今回の新モデルの改善点である開閉しやすい丸いファスナーの形は持ち歩きやすさと開きやすさを実現しているのに対して、中身が使いやすいことを保証しているのはこの仕切りの存在です。

この仕切り、もっと評価されるべき!

これは例えていうなら、同じ面積の物件でも2DKにするか、3Kにするかといった間取りの問題です。そして中に入れるものによって間取りを変えられるということは、どんな人のニーズにも合わせられるということでもあります。

思うに、こんなふうに内部のどこにでも仕切りをつけられるという一種破天荒な考え方は、これまでのバッグメーカーができなかった発想だと思います。

しかしカメラバッグではそれが当然だった。それをPCバッグに持ち込んでくる「非常識」さが「ひらくPCバッグ」の万能感につながっているのではないでしょうか。

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さて、それではみなさんの番です。みなさんの使い方なら、どんなシフトがありうるでしょうか?

たとえば私は音楽をしませんのでギターリストのシフトがみてみたいと思います。スポーツをする人は? ペットを散歩させる人は? 立場や年齢や国籍が違うひとは?

物が収まるようにバッグをデザインするのではなく、逆の発想でどんな空間でも仕切りで作ることが可能なようにつくられた「ひらくPCバッグ」。

みなさんのシフトを、ぜひみてみたいです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。