Google+1周年でイベント管理機能が追加。モバイル戦略はますます過熱する
Google+の登場から一年が経ちました。そして本日、Google I/Oの基調講演で新しい機能、「イベント」が発表されました。
API公開がなくて実に肩透かしなのですが、イベント機能はどのように使い、Google+に何をもたらすのでしょう。### イベントの招待から実況、あとの写真の共有まで
イベントといえば、Facebookのイベント機能がよく使われますが、この機能はイベントの招待には便利でも、その後は忘れられて放置されていることがほとんどです。
また、不参加のひとにとってはとたんに意味がなくなるページだという点も無駄が多かったわけです。
Google+イベントは、この招待から、イベントそのものの実況の報告、オンラインのみのイベントの開催、そしてあとからの写真の集約といった、イベントにまつわるすべてをまかないます。
イベントの登録はGoogle+の中から行います。時間、場所を決め、参加者をサークルから追加したら、すぐに通知をおくれます。通知は設定で切っていない限り相手のGmailに届きます。
また当然ながら、Googleカレンダー、マップにも連携します。
イベントにはアイキャッチ画像を選択できますが、これが微妙に動画になっていて臨場感があります。くだらないことのようにみえますが、このちょっとした動きのおかげで画面とインタラクションしたくなるんですよね…。
イベントに招待されたひとは、参加、不参加を表明するだけでなく、イベントページに投稿できるようになります。このあたりはFacebookとかわりません。
パーティーモードと写真の集約
Google+イベントはイベントの最中にも情報を集約する場所として利用できます。
これはそのままツイッターやTogetterといった、つぶやきはそんざいするけれどもまとめるのは手動というモデルへの代替案になっているところがなんともすごい。
また、イベント終了後の写真や感想などを集約することも可能ですので、トラフィックがかたときも Google から離れないというのがまたすごい。
家族向けのふわふわとした機能のようにみえますが、その実、これはありとあらゆるユーザーがなにかを共有しようと思った際のソリューションをすべてGoogle+が提供しようという野心的な動きとみてもいいでしょう。
なぜ「イベント」なのか?
しかしなぜイベントなのでしょう?
Google+にはまだまだ整備の足りない機能がありますが、そちらをアップデートすることはなぜしなかったのでしょうか?
たとえばGoogle+ページは個人アカウントとなにも変わらず、集客やトラフィックの統計といった機能はありません。検索機能も、どちらかというと使いづらく、Google+をツイッターのようなリアルタイムの話題探しに使うには難しい面があります。
しかし、これらを後回しにしてもGoogle+がイベント機能を投下してきたのは、Facebookがその将来を託しているモバイルでの戦いを有利に進めるためということが言えるかもしれません。
基調講演でのVic Gundotraの言葉によれば、Google+の利用はすでにモバイルの方がより多くなっているとのことです。Google+よりも圧倒的なユーザー数をもつFacebookもまた、IPO以来低下した企業価値を再び高めるためにモバイルに社運をかけています。
世界中でスマートフォンへの移行が進む中、私たちだけでなく、何億人というアジア、南米、アフリカの人々が携帯電話で世界中の「瞬間」を記録して「共有」しようとしています。
その共有先は Facebook という「箱庭」になるのか、Googleという、よりゆるやかな箱庭になるのか、まさにその戦いが静かにすすんでいるといっていいでしょう。
Facebookにとって痛いのは、Googleはすでに世界で最も利用されている動画サイトYouTubeを、Googleマップを、Gmailをもっているという点です。
これらの端点がGoogle+という傘の下に統合されるときFacebook包囲網は完全となります。ユーザー数の問題ではありません。戦いはすでにそんな数では泣く、「共有」というトラフィックへと移行しているといってもいいでしょう。
Google+が存在しているだけで、Facebookは膨大なユーザーをかかえたまま身動きがとれなくなる可能性があります。そのときこそ、ネット全体がソーシャルな場へと「+」されてゆくのかもしれません。
でもまずは一つ、イベントを作るところから未来を見にいきたいと思います。みなさんもよろしければGoogle+でおあいしましょう。