どんな才能もコピーと模倣から始まる。"Everything is a Remix" 第3回
Kirby FergusonのEverything is a Remix の第3回「クリエイティブさとはどこからくるのか?」というテーマのすばらしい動画が公開されています。11分の英語の動画です。
Everything is a Remix Part 3 from Kirby Ferguson on Vimeo.
ここで繰り返し述べられているのは、クリエイティビティの基礎となるのはまず第一に「コピーすること」「模倣すること」であり、そこから分岐してゆくこと、異なるアイディアを混ぜあわせることで新しいものが生まれるという点です。
たとえば多くの作家や音楽家が他の人の作品を模倣することから始めて、しだいに自分のジャンルを築いていったことや、グーテンベルグの活版印刷やフォードによる自動車の大量生産に必要な発明や考え方がすでに存在していたものの組み合わせで実現したものであることが紹介されています。
しかしこうしたマッシュアップの代表例といえば PC だというわけで、いかにしてコンピュータ開発者らが互いにアイディアを奪い合いながらその爆発的な進化を達成したのかが解説されています。
ビデオでは「偉大なるギャツビー」を筆写した話題がでてきますが、これを聞くと作家の柳美里さんが井上ひさしさんとの対談で修行時代に「罪と罰」をすべて筆写したと語られていたのを思い出します。名作を筆写することで、心のなかには作品の核となっている部分がページを離れてコピーされて、自分の個性と相互作用をしはじめるのですね。
クリエイティブさは「無からの創造」だと思っていると、なかなかなにも作れないものです。このブログだって、他の多くのブログが書くことに突き動かされて書いているものです。そうして他の誰かにも、何かを書いたり、仕事をする動機が伝わってゆくものなのかもしれません。
「自分には才能がありません」というよりも先に、まずは一歩前にでてコピーをしはじめることが全てを始める動機になるはずです。
p.s.
動画の途中でクレジットがながれますが、その後にも動画が続いていますのでご注意を! また、動画を気に入った場合はこのプロジェクトの最終回のために寄付もよろしくお願いします。僕はちょっとだけですが寄付しておきました!