計画停電ワークスタイルで乗り切ろう

今回の震災では当初から膨大な情報をネットを通してただ見ているだけで、「自分には何ができるのか」と自問自答するだけの時間が過ぎていました。

私は言葉を書くことしか能のない人間ですが、こんなときにライフハックや生産性というブログはあまりに無力で、何を書いても嘘臭く聞こえるだろうと思い、更新できずにいました。しかしようやく、自分の中にやるべきこと、書くべきことを見出しつつあります。

事態はいまも進行中で、終わりはまだまだみえてきません。しかしその一方で毎日はいつものようにやってきます。計画停電でずたずたにされながらも、回すべき仕事は山積みです。

私はいつもと同じように仕事をし、ブログを書いて、日常を取り戻そうとしている人の力になれればと思います。数週間、数ヶ月、数年はかかるかもしれない長い長い「日常」へ戻るプロセスのお手伝いをができる記事を書くことができれば良いなと、心の底から思います。

計画停電ワークスタイルの模索

まずの相手は、この計画停電です。私の職場でもいつ停電があるのか? いつサーバーを落とさなくてはいけないのか? と大混乱の一日でした。

一日に数時間の停電を想定して行動しなければいけない日々が続きそうですが、いまのノートパソコンはフル稼働で数時間バッテリーがもつものも多いので、あとはなんとか仕事をまわせる計画停電ワークスタイルのために、いくつかの点について考慮しているところです。

  • 交通手段の確保: ノートパソコンで仕事ができても、帰宅できなければ意味がありませんので、まずは計画停電の時間と電車などの終了時刻のすり合わせが必要となります。おそらく、今日多くの人がストレスを感じたのもこの部分でしょう。これは今後一週間ほどのあいだ、この新しい日常が新しい安定点を見いだせるまで、またなくてはいけません。

  • コンテキストで仕事を分類: 私の場合にはデータ解析をしなければいけない作業、事務書類の作成、メール連絡などといった仕事が中心ですが、それらを仕分けることで「自宅でできるもの」「ノートパソコンだけでネットがなくてもできるもの」「職場でデータを必要とするもの」という風に、いくつか GTD 的なコンテキストを分けられます。停電を織り込んだ場合、優先順位のつけかたは特に「ネットがあるか」「職場でなければできないか」という部分が大きく寄与します

  • データの持ち歩き: この部分は、事務書類や仕事上のファイルについてはDropboxEvernote に入れてあるいつものクラウドワークスタイルがそのまま活きてきます。あとは研究で利用する多少のファイルをバスパワーの外付けハードディスクに格納すれば仕事場がそのまま持ち出せます。

こうしてみると、ふだんからやっていた Dropbox や Evernote の使いこなしがそのまま停電時でも活きてくることがわかります。

Evernote の場合プレミアム会員ならデータをオフラインで iPhone / iPad にもっていくことができますが、今月は日本のすべてのユーザーがプレミアムですので、このあたりも最大限使えそうです。

あとは「停電時間」「通勤・帰宅時間」「作業時間」の3つのバランスですが、これが通常の重要度に基づいた優先順位とは異なるバランスを生み出すことに留意しておけば、一週間程度でなんとかなりそうな気がしますね。

ツールと工夫で、この難しい時期を乗り切っていきましょう。

Happy Lifehacking!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。