今一番大事なのは心を守ること

Depression

今回の災害が起こって数日間、ニュースとツイッターの情報から目を離せない時間を過ごすうちに、私は大きな無力感や頭痛に襲われました。そして同じようなことが過去にもあったことを、まざまざと思い出しました。

それは2001年 9/11の同時多発テロ事件の時で、私は遠くアメリカからやってくる信じられない映像を見続けるうちに、軽い鬱に近い状態でしばらく過ごすことになりました。

いま被災地で過ごしている人はもちろん、そうでない人も、今回の出来事によるストレスから来る鬱病にはとても注意する必要があります。

たとえば 9/11 の事例だけでも以下のような指摘があります。

9/11 のあとPTSDの発症や鬱病の発症が急激に増えた、あるいは麻薬・酒・タバコの消費量が上がったという報告。

被災者の鬱病と自殺率いついての記事。ただし一方で、全体としての自殺率は同じか減少する傾向もあるという報告もあります。

被災していない人も注意

ここで油断してほしくないのは、直接被災していない人々です。

私たちはふだんそれでなくても多くのストレスに囲まれて生きています。そこでさらに災害のニュースが飛び込み、つらい思いを共有してゆく中で、自分でもおもってもいないほどストレスを溜め込んでいる可能性があります。しかも「被災地はもっと大変なんだから…」と感情を抑えこんでしまうと、抑うつ状態に陥ることもありうるでしょう。

精神的に参ってしまうまえに、情報の入力を意識的に制限して、周囲でできること(GTDのNext Action!)に注目して過ごすのが一つの手です。テレビを見過ぎずに災害情報がまとまっているツイートだけを読む、ラジオに切り替えて映像を減らすといったように制御できる面もあります。

この災害の余波はまだ数週間、数ヶ月、数年と続きます。被災したみなさんはもちろん、そうでない人も、出来る限り心を守って、長く戦えるようにしましょう。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。