マイクロソフトSurface Pro 4は「ノートパソコンではない、タブレットでもない」の不思議 #SurfacePro4 #Surfaceアンバサダー

2015年11月に発売が開始したマイクロソフト Surface Pro 4 のイベント、「Surface Pro 4 発売記念 & アンバサダーキックオフイベント」に参加してきました。

ふだんは MacBook Pro を使っている私が久しぶりのWindows機でも特に苦労することなく Surface を使うことができているのは、先日記事にも書いたとおり、OS X であれ Windows 10 であれ、パソコンのOSの機能はは収束が進んでいてできることにそれほど違いがないという点、そしてクラウドサービスによってOSに依存する部分が少なくなったというのが挙げられます。

しかしその一方で、たしかに Surface Pro 3 を Macbook Pro ほどには信頼していない、完全にコミットできずにいることも気づいていました。慣れの問題だろうかと思っていましたが、今回イベントで Surface Pro 4 を触ってみて、このもやもやした気持ちの襟首を掴んだ気がします。

これはノートパソコンでもなければ、タブレットではない Surface の使い方に起因するのもなのかもしれません。

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Surface という概念をもう一歩すすめるSurface Pro 4。

最初にスペック面の部分をおさえておきましょう。Surface Pro 4は、Pro 3とくらべてそれほど見た目も、機能も革命的に違うわけではありません。

見た目は同じですし、背面ヒンジによる使い方も変わっていません。並べて比較すれば、多少 Pro 3 に比べて薄くなり、少しだけ軽くなり、画面サイズも大きくなっていることに気づくでしょう。

大きく変化したのはタイプカバーで、Pro 3 の発表時のものに比べてキー間隔が広くなり、打鍵感が深くなり、タッチパッドも広くて使いやすくなっています。エンターキーが大きくなったのは文章を書く人には嬉しい変化です。

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液晶画面が感圧になったことで、ペンスタイラスによって絵を描いたり、手書きのメモを残すのがより楽になった点も大きな変化です。イベント会場ではイラストをその場で書いているデザイナーも多くいて、その即戦力ぶりを印象づけていました。

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こちらがこちらがゲストのイラストレーターが10分あまりで Illustrator で作成していた画像です。

注意したいのはイベントにおいてあった Surface Pro 4 はどれも最高スペックのものだったことですが、それもあってか高性能を要求する Adobe ツールの数々もまったく負荷がなく、Pro 3 でありがちな背面に熱がこもってファンが高速に回ることもありませんでした。

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ノートパソコンでも、タブレットでもない

本当に驚かされたのは、Dirigent による音楽制作ソフト Bitwig Studio のデモンストレーションを見せていただいていたときです。液晶画面がマルチタッチに対応していますので、音符を出す、画面にタッチしてコントロールを出現させたらもう一方の指で別メニューを引き出したり調整つまみを回して、といった操作が自然にできる点です。

サムネイルの仁王の如きご尊顔がかっこいいジェットダイスケさんの動画でもその様子は紹介されていますが(3分あたり)、もはや言葉では表現しづらい操作感というのは道具として進化しているということです。

鉛筆や絵筆が一種類の持ち方しかできなかったり、料理の火加減ができなかったら絵画や料理という芸は成り立たないのですが、デジタル機器にはこうした制限は当たり前のように存在していました。

Surface Pro 4 ではノートパソコンでできることを一切あきらめずに、それでいてタブレット機器のフィーリングも取り込んでゆくという設計思想がさらに前面にでています。このあたりが、タブレットには専用のOSをもっているAppleと対照的ですね。

その反作用は、Surface はタブレットとして使うのもどこか不自然になってしまうという点です。タイプカバーがなければほとんどの操作が面倒になってしまうのですから、タブレットのように持ち歩くことも使うことも少なくなります。ノートパソコンでもタブレットでもないというのは、いい意味にも、悪い意味にもなるのです。

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というわけで、イベントのゲストの話をそっちのけでブロガー数人でああでもない、こうでもないと会場で論じ合っていました。ジェットダイスケさんが、いしたにまさきさんが、ふたりとも悩ましいという顔をされていますね。

性能的にも機能的にも申し分のない Surface Pro 4 ですが、いち消費者として購入するかという判断をする際には、ここにもう二つの価値観をもちこまなくてはいけません。それは iPad Pro が問いかけるタブレットの姿と、価格という次元なのですが、それについては次の記事でご紹介したいと思います。

悩ましい問題が、さらに悩ましくなってしまいます。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。