iPhone 4 が「すべてを変えてゆく」理由
iPhone 4 の予約が1時間遅れただけで、発売日当日には入手できずにいたのですが、やっと手に入れることができました!
フォルムが変わり、液晶が美しくなったということはすぐわかりますが、それ以外では iPhone 3GS に対する違いがわかりにくいのが iPhone 4 のように思えます。しかししばらく利用してみて、なるほど、これはある意味「すべてを変えてゆく」端末だと納得することができました。その理由について軽くまとめておこうと思います。
Retina Display の意味
肉眼ではピクセルを捉えられないという Retina Display ですが、たしかに eBook をみるときや、写真をみるときの美しさにはため息がでます。カメラの性能では iPhone 4 を上回る機種もあると思いますが、iPhone 4 の液晶があまりに高画質ですので携帯の画面上で見る分には iPhone 4 が他を圧倒しているようにみえてしまいます。
しかしこの高解像度の液晶がもっとも効果を発揮しているのが Safari でウェブページを閲覧している時です。以前ならにじんで判別がつかなかった文字が、はっきりとは読めないまでも「ここにある記事はきっとこの話題」と当たりがつくところまできています。
実はこれは新聞をよむときと同じで、私たちはざっと見開きのページを目でスキャンして、興味をひく記事を探しています。これが iPhone 4 で可能になったのです。ニュースサイトを全画面表示していても、天気予報の小さなアイコンが判別できるのは、液晶に向かうときの期待感を変えてしまったわけです。
特にツイッタークライアントなど、大量の文字情報があるアプリはこうした効果を最大限利用するはずです。
512 メモリの挑発
iPad 上に Pages / Keynote が登場した際には、私は Apple のエンジニアがこう言っているのを聞いた気がしました。「この端末は iPhone とは違う。iPhone の UI にとらわれる必要はないんだ。さあ、なにを作る?」と。
今回 iPhone 4 用に iMovie が登場した際にも、別の言葉を聞いた気がしました。「もうメモリの制限を考えることはない。さあ、3GS 以前の iPhone はレガシーだと思って、次のすごいアプリを開発しよう」
そう考えてみると、「iPhone 4 らしい」アプリの登場はまだまだこれからといえそうです。iMovie をさわっていると、なんでも可能ではないかと思えてきます。
ネットワークスピードの格段の向上
Daring Fireball で指摘されているように、iPhone 4 のネットワークの速度はダウンロードで 3GS の倍程度、アップロードスピードはさらにスピードアップしています。
iPhone 4 でウェブを閲覧していると、非常にきびきびとページが標示されますので、これまでの iPhone でのブラウジングに必要だったほんの少しの忍耐がまったく要らなくなっているといえそうです。
小さなことに見えますが、ユーザーがネットと触れる時のハードルが半分に下がっているのですからこれは大きな変化です。
「すべては変わる」か?
単にスペック上の話なら、同等以上のスマートフォンが Android にもあるという人もいるかもしれませんが、Android がプラットフォームであって、iPhone は端末でありプラットフォームであるという違いを考えに入れなくてはいけません。
同じプラットフォームのなかでも、スペックの違い、発売時期の違いによってある程度の Fragmentation 断片化がおこるのは仕方ありません。しかし次々と発表されてゆく Android 携帯に対して、iPhone はモデルが数種類しかありませんのでこの断片化が Android 携帯群よりもゆっくりと起こります。
そして iPhone 4 は上記のスペックで早くも 3G / 3GS をレガシー化しかねない勢いです。もし iPhone 4 への移行がこのまま順調に進み、かつこのスペックをフルに活用するアプリが今後増えるなら、「すべてはもう一度変わってゆく」ということになるでしょう。
とはいえ、Android 陣営の追い上げも激しいものがあります。来年のいまごろ、戦局がどうなっているかはわかりませんね…。仕事の相棒であるスマートフォンが進歩するのは非常に歓迎しますが。
iPhone 4 をお持ちの方、どう思いますか? iPhone 4 は十分に 3GS との違いを打ち出せていますか?