小さな習慣を管理するサービス "Habitify" に大型アップデート

習慣作りは小さな行動の記録と繰り返しが基本です。

習慣作りをなにか巨大なプロジェクトのようにとらえ、実行できるかさもなくば失敗か!などと深刻に考えてしまうと、なかなか生活に行動が定着しませんし、うまくいかなかったときに自分の意志の弱さを責めたりといった無駄な思考が生まれます。

たとえば朝に早起きをしたいという習慣も「朝6時に起きることができるか否か」という行動ではなく「前の夜に◯時までに眠る」「何時以降はコーヒーをとらない」「睡眠時間を6時間確保する」「疲れをためない」といった要素に分解したうえで確率を高めてゆくほうがうまくいくのです。

生活を無数の小さな習慣に分割し、それぞれを実行できた小さな勝利をフィードバックさせていけば、やがて全体の達成率の確率が上がっていきます。そうしてゆっくりと望む方向に行動を定着させてゆくのが、楽なうえに実効性の高い習慣作りです。

しかし行動の数が5つ、6つ以上になると今度はそれを管理するのがややこしくなってきます。そこで利用したいのが行動を管理するための習慣形成アプリです。

私のようにデータをとってその結果に基づいてフィードバックをかけるのが好きな人に最適なサービス、Habitify(ハビティファイ)に先日大型アップデートが入り、Ver.6 となりましたので、その画面と使い方を紹介したいと思います。

Habitify基本は設定してボタンを押すだけ

Habitifyはデータの収集をとにかく楽にするところに特化しています。連続で行動を継続できるか挑戦させるアプリや、コーチングなどを行なうアプリもあるなかで、Habitifyは簡単な操作で行動をデータ化して客観視できるところに魅力があります。

iOS版のHabitifyはこのようにたくさんの習慣に実行ボタンがついているだけのUIとなっています。ユーザーが行なうのはその日の行動を実行した際にボタンを押すだけです。

よく、過去の行動にはチェックをさせるのを難しくすると言ったハードルをユーザーに強いるアプリもありますが、Habitifyはそんなことがありません。記録することが全てなのですから、日付を選んでポチっとするだけで過去の行動もすぐに入力できます。

入力した行動は、カレンダー上で美しい記憶になり、連続実行日数や、直近のグラフや確率といった情報が蓄積していきます。

iOS版で新しい習慣を設定するところからみてみましょう。この設定画面では習慣を身につけるための行動の名前、繰り返しの頻度、開始日、リマインダ、時間帯などを入力していますが、簡単にみえてなかなかの柔軟性があります。

たとえば毎日の行動だけでなく、平日のみ、隔日、週に一度、二度といった頻度の行動も設定できますし、午前中にやることが決まっているもの(早起きなど)と、午後に実行することが決まっているものを設定することで午前に午後の行動が表示されないような設定もできます。

あとは表示されている行動のボタンを押すだけで、実績が記録されていきます。これだけ簡単なものですから、記録する行動もなるべく小さく、たとえば「運動着を着ただけ」でも一つの習慣にしたりでもいいでしょう。

マルチプラットホームで、いつでもHabitifyを手元に

Habitify Ver6 では本格的なマルチプラットホームが進められており、新たにウェブ版のHabitifyが公開されています。これで iOS、Android、macOS、そしてウェブ版、Apple Watch版と、好きな場所で好きに行動管理をすることができます。

情報はすべて Habitify アカウントで同期されていますので、どこでチェックをしても残りのデバイスにデータは同期されます。

macOS版では広い画面を使って達成率の確率などをチェックできますので、データで自分を管理してみたいというひとにはぴったりです。

最初にも書いたように、継続率が100%、達成率が100%が目標ではありません。それができているならば、そもそも管理する意味があまりありませんよね。

むしろ、どういった条件で行動が途切れるのか、どういう条件で確率があがるのかをモニターすることで、成功率を高めてゆくのが本当の習慣術です。

買ってしまったほうが安いプレミアムプラン

Habitifyはアプリの利用は3つの行動まで無料で、それ以上の管理にはプレミアム版の購入が必要です。

どうもHabitifyのウェブサイトではまだ古いFAQが残っているのでいろいろ混乱しそうになるのですが、現在では一つのプレミアム版ですべてのプラットフォームでの利用が可能になるようです。

その利用料というのが面白くて、月間で680円、年間で3300円なのですが、買い切りの一生涯4800円というプランもあります。

ちょっと試して見るならば月間で初めて見るのもいいですが、長く使うつもりならばどう考えでも一生涯プランのほうが得なわけです。おそらく、Habitify Ver6 のライフタイムの間は有効ですので、少なくとも数年は使えるのではないかと思っています(Habitifyが突然サービス終了にならない限りですが)。

ライフハック・ジャーナルで「小さな習慣」特集をします

わたしはHabitify Ver6 のリリースを心待ちにしていたユーザーのひとりなのですが、どうせですからこのアプリの使い方の紹介も兼ねて、noteの定期購読マガジン「ライフハック・ジャーナル」で小さな習慣の特集をしようと考えています。

ライフハック・ジャーナル

私の今月の行動を細かく分割して、再整備するところから始めて、確率をどのように管理してゆくのかというところまで話ができればと思いますので、もう少しディープな話に付き合っていただけるかたはぜひ購読してみてください。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。