「ものを探す」という無駄な時間を消滅させる「TrackR(トラッカール) pixel」日本上陸!

部屋の中でなくした財布や鍵を探すのに使う時間は意外に無視できません。私たちは一日に約10分、年間で60時間 = 2.5 日間分の時間を「ものを探すこと」だけに費やしているという推計もあるくらいです。

なくしやすいものは、たいてい決まっています。財布、鍵、スマートフォン、あるいはモバイルバッテリーとそのケーブルなどといった、利用頻度が高く、いろいろな場所に置いてしまうものです。

そこで、そうしたアイテムをすべてスマートフォンから探すことができるようにすることで、探すというプロセスをすっ飛ばすことができます。それを実現するのが、本日日本で正式にリリースされたTrackR(トラッカール)です。

これまでも日本で一応手に入れることが可能でしたが、正式に TrackR pixel が日本マーケットに上陸です。

100円サイズの TrackR pixel

TrackR pixel は直径26mm、厚さ5.6mmのデバイスで、ちょうど100円玉ほどという、他の競合製品と比べても小さいサイズになっています。

先行して販売され、世界的にも500万台のヒットとなった Trackr bravo (画像左)が直径が31mm、厚さが3.5mmとなっています。今回の pixel のほうが少しだけ厚みがあるのですが、そのかわり直径を抑えることでコインケースにも入るほどの大きさになっているわけですね。

TrackRが持っている機能は大きく分けて4つあります。

  1. TrackRをつけた財布、鍵といったものが見当たらなくなったら、スマートフォンから呼び出す「探す」という基本機能。TrackRは 90bBの音を発生させるか、pixel ならば光を出すことで探しやすくするとともに、スマートフォンからの相対的な距離の目安も表示できるようになっています。

  2. TrackRとスマートフォンとの間の距離が離れすぎたら「忘れてますよ」とスマートフォンに通知を送ることができます。これは外出時に置き忘れをしやすいものを持っているときにオンにするといいでしょう。

  3. TrackRのデバイスは手元にあるものの、肝心のスマートフォンがない場合は、TrackR側のボタンを使ってスマートフォンから音を発生させて探すことができます。

  4. TrackRがついたものをなくしてしまった場合、スマートフォンにはそれが最後にあった場所を表示することができるとともに、そのそばを他のTrackRユーザーが通過した場合に匿名で「ここで発見しました」と通知を送ることができる、クラウドロケート機能があります。

価格は1個2980円、3個パックで5980円、5個パックで8980円も用意される予定ということですが、私は迷わず5個パックにしようと思っています。

というのも、財布、鍵だけでなく、カバンや、子供の身の回り品といったように、探すことを消し去ることで得られる時間を考えるなら、一日に探している時間がせいぜい3分だとしても年間で18時間、時間コストを時給500円程度の薄給で換算してもお釣りが返ってくるからです。

「探さない」というのは、時間をお金で買っていることなのです。

TrackR の接続の様子

ここで、TrackRをスマートフォンに接続しているようすも紹介しておきます。TrackRは基本的には個人で利用するものですが、グループを設定することで家族で一つのデバイスを共同で探したり管理することも可能になっています。

アプリは位置情報を利用しますので、まずその利用を許可しておきます。また、自分が無くしていたものが見つかった場合の通知をうけとるために、こちらもオンにしておきます。

次に、TrackR 本体をスマートフォンに Blutooth 接続するために「新しいTrackRの登録」を選択します。

もっている TrackR の種類を選択します。このスクリーンショットで登録したのは Bravo でしたので、こちらを選択。今回発表された pixel ならば二つ目を選びます。他の選択肢をみていると、Alexa 連携なども便利そうですね。

これが意外に大事ですが、「デバイスの名前」をわかりやすく設定しておきます。TrackR はひとつだけではなく、3-4個ほどで運用したいわけですから、区別しやすい名前をつけておきます。

次に、この画面になったら本体のクリアボタンを長押しします。音がでますので、問題のないところで実行しましょう。

これで接続完了です。

TrackR でのモニタリングのようす

アプリで確認すると、スマートフォンの圏内にある TrackR の場所が地図上に表示され、スマートフォンからの相対的な距離も表示されます。

部屋の中で TrackR がついたカバンや財布や鍵を見失った場合は、こちらのボタンで音を発生させます。また、ゲージでTrackRとの距離が近づいているか、遠ざかっているかもわかります。

製品の特性上、TrackRにかぎらずこの手のデバイスは「方向」はわからないことに注意してください。あくまで距離だけがわかるので、部屋を動き回りつつ、捜し物の場所を絞り込んでゆくわけです。たいていは、音で一瞬で見つけることができますし、距離計を使ってもすぐに場所を限定して探すことができます。

TrackRローンチイベントにも行ってきました

さて、しばらく前から bravo も利用させていただいている TrackRですが、本日はローンチ記念のイベントにも参加させていただきました。

開催された10月4日はNTTの電話番号案内が104である関係から「捜し物の日」、そして偶然にも創業者Chrisの誕生日でもあります。これはなかなかの偶然。

TrackRは身の回りの探しものにも便利ですが、もちろん気になるのはユーザーが増えることによってみんなが恩恵をうけることができるクラウドロケート機能です。

これについては、日本でもすでに利用者が少しずつ増えている関係で、先日は渋谷で落とされた財布が実際にクラウドロケート機能の助けで見つかったケースもあるとのことで、確実に現実味が増しています。

しかし、クラウドロケート機能はユーザーがTrackRアプリを起動して街を歩いているかといった偶然の作用もあるため、次に展開しようとしているのがTrackRをインフラにまで高める TrackR.atlasという技術です。

これは家庭でなら簡単なデバイスをコンセントに差し込むことで、TrackRデバイスの位置を部屋単位で正確に知ることが出来るとともに、ペットの首輪や子供のランドセルについているTrackRの出入りによってひとの出入りを離れたところからモニターできるというものです。

これはもちろん家庭だけでなく、駅のホームのような場所、自動販売機、コンビニなどといったように人が立ち寄り、通過しやすい場所に設置することで、いわば付近を通過するTrackRをモニターできるようになる技術でもあります。

というわけで、バースデーパーティー風のローンチイベント、たいへん楽しくお話を聞くことができました。

日本は欧米以上に密度の高い、緊密な人の流れが街の中に存在する国なので、TrackRはアメリカなどとは異なった成長の可能性をもっているのではないかと期待しています。

カラーバリエーションもさまざまにありますので、まずは自分と家族の分、いかがでしょうか?

現時点では取り扱いは Amazon のほか、ビックカメラやコジマ電気といった量販店が手始めだそうです。

さて、つぎはどんな場所にこのTrackRが入るかいろいろ試した記事をかいてみようかと思います。

 

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。