タップ1つでメールアドレスや住所を入力できる拡張キーボード、OftenType [iOS]

文章を書いていると、メールアドレスや住所など、何度も繰り返し利用する文字列があります。

パソコン上なら辞書やTextExpanderに登録して素早く入力するところですが、iPhone上だとそうもいきません。

そこで、メールアドレスや住所などの定型の文字列を登録しておいて、すばやく呼び出すことができるOftenType(オフンタイプ)というアプリ(iOSのみ)がなかなか便利です。OftenTypeはiOS上に追加のキーボードを作成します。なので、アプリの側でOftenTypeに対応している必要はありません。

Oftentype1

まず、OftenTypeにいくつかキーを追加してみましょう。アプリを立ち上げて、たとえばメールアドレスを入力していきます。このとき複数追加しても大丈夫です。

Oftentype2

次に、iOSの設定から新しいキーボードを追加します。「一般 → キーボード → キーボード」と選択して、「新しいキーボードを追加」すると、OftenTypeを追加できます。

このあとで、追加されたキーボードをタップして、フルアクセスを許可しておく必要があります。フルアクセスを許可すると、原理上は入力された文字列がOftenType開発元に送信されることも可能になりますが、開発元では入力されたキーストロークは送信も保存していないとのことです。

Oftentype3

さて、追加したキーボードを任意のアプリで使用してみましょう。

キーボードをOftenTypeに選択すると、アイコンだけのインターフェースが表示されますので、好きなモノをタップするだけで登録した文字列が入力されます。複数登録したものについては、ボタンを長押しすることによって、選択することが可能です。

実は同様の追加キーボードはTextExpanderでも提供されているので、こちらを使ったほうが多機能な文字の補完機能が使えるのは確かですが、こちらは若干重いのと、ボタンを押して解決というほどわかりやすくありません。

入力する文字には日本語も利用することが可能でしたので、メールアドレス、住所、電話番号、ハッシュタグ、シグネチャ、定型文など、使うことが多いのに覚えられない、あるいは面倒な文字列を入れておくとよいでしょう。

(追伸)

一点だけ難点があるとすると、パスワードやクレジットカードの番号も登録できるようになっているのですが、たとえばWordpressのログイン画面のパスワード欄などのように、デフォルトで英語キーボードが開いて切り替えができないフォームについては、OftenTypeは原理的に利用ができません。

パスワードやカード番号のような注意の必要な文字列についてはなるべく使わないほうが無難かもしれません。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。