部屋の中に情報を流れを作る。断裁機PK-113、ScanSnap、そして書斎の未来

PLUS様、ScanSnapのPFU様のお誘いで、新発売の断裁機PK-113の発売記念イベントに出席させていただいたのですが、この新製品がどのように使われ、どこに置かれるのかを想像するとき、アナログとデジタルのゆるやかな移行とバランスについて考えさせられます。

コピーするかわりにスキャンする時代。しかし、ある程度のものは必ず手に取る書物や書類として残るという、見え始めたバランス。つまりはこれは、書斎が向かうべき未来の話でもあるのです。

書斎といわれても、自分には関係ない…と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。そのことを、PK-113の紹介をしてからご説明したいと思います。### 軽い、手軽、安全な断裁機、PK-113

というわけで、まずは断裁機がハサミと同じくらい簡単で安全な道具となってきたことを印象づけるPLUS PK-113について。

PK-113は紙押さえの部分を格納しておき、ふだんは卓上の狭い空間に立てて置くことが可能です。

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断裁時はこのように展開します。ここですでに見えていますが、刃が上下する空間は透明プラスチックで覆われていますので、誤って指を近づけていたとしても怪我をすることはありません。

この「間違っても怪我をしない」というところが大切で、常識的な範囲の利用をしているかぎり、説明なしでも子供でも安心して使えるわけです。これは利用シーンが格段に広がることを意味しています。

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こちらが上からみた様子。単純なレバーのてこによって刃が降りるのはなく、加えた力が均等に刃に加わるような機構が収まっています。

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書類押さえはこのように逆にいれることで小さな書類であっても押さえることができるようになります。

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利用していないときは、このようにレバーを止める安全ロックもあります。

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こちらは断裁するカットラインを照らしだすライトのスイッチ。消し忘れても、紙押さえを閉じると自動で消える安心設計になっています。

肝心の断裁している様子はこちら。最大枚数は60枚と、ScanSnap iX500 が一度にスキャンできる枚数を目安に設計されているそうです。

先ほど説明した、レバーの力を均等に刃に伝える仕組みによって、力まずとも60枚を一気に切ることができます。

ScanSnapと断裁機と書斎

この PK-113 は、これまでの業務用の、断裁することに慣れた人を対象とした製品とは違い、材質も、デザインも、利便性も家庭に置かれることを念頭に設計されています。

触るとひんやりと冷たい PK-513 と違って、文具で慣れ親しんたABS樹脂製ですし、ハサミのレベルで子供が使っても安全というのは、置き場所を気にしなくてもよいということです。

じゃあ、普通の家庭で PK-113 がどんどん売れるかというと、にわかにはそれはイメージできません。本や書類を断裁して、スキャンするという流れで考えると、次の二つが必要です。

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むむむ。二つで 24000円+40000円で64000円ですか…。これは多少の思い切りが必要です。

しかし、ここで考え方に変化が必要なのかもしれません。家庭における情報処理をこれまで通りに考えて、そこにこの二つを追加するという考え方だと高い気がします。

でも、プリンターを買わない、書類は常にデジタル化する流れを作る、残された重要なものだけが本棚へ、本棚からあふれた分は minikura MONO へ、という流れを考えると合理的になってきます。

Shosai1 みたいもん!のいしたにまさきさんの「新しい書斎」を参考に、およそ一畳の空間に収納、机、本棚を入れてみるとこんな感じになります。縮尺は OmniGraffle で正確にあわせてあります。

Shosai2

ここに iX500 と PK-113 (収納時)、そしてパソコンを寸法通りに置くとこんな感じになります。情報の流れも矢印で示すとわかりやすいでしょう。

実際にはPK-113を展開して使うにはこの左に20cmほど必要になりますが、PK-113は持ち手もあって移動が楽ですので、断裁は机のうえでおこなうのでも不都合がないでしょう。

大事なのは、家の一部分に情報を処理し、デジタル化し、ストックし、適切にものを減らす流れのある場所があることで、これが「書斎」だということです。書庫にいっぱいの本がある書斎ではなくて、情報の流れのある場所だと考えれば、なるほど誰もが書斎が必要だと納得いただけるかと思います。

こうした流れを作り、さまざまな情報を処理する意欲のある人なら、iX500 をまず購入し、本の自炊、マニュアルの電子化、さまざまな資料の規格化に断裁機を必要とするニーズが見えてくるのではないでしょうか?

そうすると、小さく収納できて、機能が家庭向きのPK-113が家庭用の製品として魅力的に見えると思います。

PK-113 についてはScanSnapアンバサダーとしてすでに一台提供をいただいていますので、自分の書斎でもこの PK-113 を組み込んだ情報の流れを作ってみたいと思います。

p.s.

PLUS のマスコットのくまさん。かわいい(笑)。

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自炊という言葉が出来る前に書いていた記事も、参考になると思いますので紹介しておきます。

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堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。