中身を捨てずに空間をすてる。漫画も本も iPhone に入れる全工程
iPhone情報整理術 の話が続いて恐縮ですが、本が出て以来意外に反響があるのに、一方であまり信じてもらえなかったのが**「本や漫画を裁断して iPhone にいれてゆく」**というテクニックです。
「本大事にしろよ!」という意見もいくつかいただいたのですが、こうした極端な方法はなにもすべての本に対して行うのではなくて、「場所がないから捨てなくてはいけない、でも捨てるには惜しい」という一部の本に対して行うことを想定しています。特に私にとってはそれが漫画です。
私はちょうど4月に引っ越したばかりなのですが、引っ越しで書斎の面積が少し狭くなり、その分だけいくらか本を手放さなくては本棚が機能しないところまできていました。そこで、とても好きで惜しくはあるのですが一年に一度程度しか読まない漫画「三国志」の PDF 化に着手しました。
その一連の流れを以下に写真付きでまとめてみましたので、同様の「書籍裁断」をする方は参考にしてください。
1. カバーをとり、裁断機に固定する
まず、カバーと中身は別々にスキャンしますのでカバーを取り外して裁断機にかけます。
このとき注意したいのが、本によってのりがどこまであるのかは異なるという点です。漫画などの場合、見開きページの印刷部分がどこまであるかによって、何ミリの部分で裁断するかは経験が必要になります。
書籍の裁断を初めて行うときは、なるべく重要性の低い本から裁断して経験をつんでから、もっと思い入れの深い本に進むことをおすすめします。
2. 裁断を行う
どうしても手作業で行う裁断機の場合、断面は一様にはできません。写真のように少しだけ斜めになってしまいます。このことで、単行本の最初のページと最後のページではほんの少しだけ幅が変化して ScanSnap で読み込んだ際に微妙なページの傾きを生み出してしまうことがあります。
3. 糊がはがれているかチェック
一枚一枚のページをチェックして、つながっているページがないかをチェックします。紙詰まりの原因や、ページ飛びの原因になってしまいますので、ここは入念に行いましょう。
4. ScanSnap でスキャン
私の場合は、画質はスーパーファイン(300dpi)、カラーのPDF 形式で読み込みます。ここで焦ってなるべく多くのページを一度に読み込ませたくなるのですが、先述のページ幅の問題がありますし、読み込むページが多いほどダブルフィードの問題が起こりがちです。
一度ダブルフィードが起きてしまうと結局大きな時間ロスになってしまいますので、30-50 ページごとにページ幅を調整しながら読み込むのがよいでしょう。ScanSnap S1500 の場合あっというまに終わってしまいます。漫画一冊程度なら、容量は 50MB くらいになります。
あとでまだ利用する可能性がありますので、スキャンし終わった原稿は順番に気をつけながらちゃんととっておきましょう。
5. 全ページのつながりをチェック
**このステップが非常に大事です。**元となった原稿を捨てた後でページ飛びがあることに気づいては手遅れですので、1ページずつ丹念に調べて問題がないことを確認していきます。
6. iPhone への格納
本などを読む場合には、大容量の PDF を読める Good Reader が便利ですが、漫画を読んだりする場合はかえって Air Sharing の方がページスクロール機能が充実していますので便利です。
ここまで書いても、実際に読むスピードなどは実感がわかないと思いますので動画にしてみました。いかがでしょう? iPhone にいろんな本を入れてみたくなってこないでしょうか?
ScanSnap で取り込んだ漫画を iPhone で読む from mehori on Vimeo.
まとめ
以上では一瞬でできるかのように書いていますが、スキャンよりもチェックに時間がかかりますので 1冊あたり15 分程度の時間は見積もっておいたほうが良いでしょう。
また、200 ページ以上の分厚い本の場合は一度に裁断することが出来ませんのでカッターを利用して先に背を半分に切るという危険な作業も必要なことがあります。十分に注意して作業を行ってください。
こうした手間をかけて iPhone に本をいれて、実際に読むかというと、それほど頻度が高いわけではありません。しかし「内容を捨ててはいない」という安心感があるおかげで、書斎から物を捨てやすくなっているというのが、この手法の一番のメリットであるといえるかもしれません。
本を裁断するのにはやはり抵抗がある、こうした裁断機は家庭内に置くには大きすぎる、といった難点もありますが、あふれる物に困っている人にはよいテクニックではないでしょうか。
ご参考になれば!