「ああ!あそこでこれやるつもりだったのに!」をなくす OmniFocus for iPhone

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このブログは日刊 iPhone というわけではありませんので、そろそろ次の話題に移りますけれども、その前にこのアプリについてだけは書いておかないといけません。

Mac OS X 上の GTD 支援ソフト OmniFocus の iPhone 版、OmniFocus for iPhone です。

OmniFocus for iPhone は Mac をもっていない人でも、その GTD を意識したタスクマネージメントを体験することができますので便利ですが、真価が発揮されるのは、Mac OS X の OmniFocus 1.1 ベータ版との連携を行なった場合です。

その最も大きな特徴は、GPS でいま居る場所と関連したタスクを表示するという、「ロケーションを意識したタスク管理」が可能な点です。

簡単にも、複雑にもなれるインターフェース

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OmniFocus の最大の特徴は、やらなければいけないプロジェクトやタスクを箇条書きで追加してゆくプランニング・モードと、「家」「オフィス」など特定の場所で行なうアクションだけを表示するコンテキスト・モードが明確に別れている点です。

それ以外にも、締め切りに近いタスクだけを表示したり、フラグが立てられたタスクだけを表示するなどというように、「すべてのやるべきこと」を異なる断面からみることができるわけです。

こうした断面でタスクを整理できるようにするためには、一つ一つのタスクに、重要度・締め切り日・コンテキスト(場所)などを入力しないといけないので煩雑になりがちですが、OmniFocus ではそうした情報がまだ入力されていない、タイトルだけのタスクを Inbox にさくさくと追加して、あとで時間のあるときに詳細を入力できるようにも工夫がされています。

開発者の言葉を借りると「ユーザーが望む程度に複雑にも、簡単にもなれるツール」として OmniFocus は設計されているのです。

OmniFocus は 1.1 Sneaky Preview (1.0 を使っている人は、本家サイトからダウンロードしないといけません。自動アップデートには表示されません) になって、複数の Mac、iPhone との間でタスクを自動でシンクロさせることが可能になりました。シンクロする先は Mobile Me の iDisk、WebDAV サーバー、ローカルのディスクなど選べますが、iDisk でも十分に高速にシンクロすることが可能です。

ああ! あそこでやることがあったのに!

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このデスクトップ版の OmniFocus と連携している OmniFocus for iPhone の最大の特徴は iPhone の GPS 機能を使ったロケーションを意識したタスクマネージメントです。

「やるべきことがあったのにその場所を通り過ぎてしまった!」「 店で買おうと思っていたものを忘れてしまった!」 このように「ある特定の場所」でやるべきだったタスクを忘れてしまうということは誰にでもあると思います。

OmniFocus では、「家」や「オフィス」または特定の「店」「コンビニ」「駅」「書店」などを GPS で登録しておくことで、「この場所に近付いたらタスクが表示される」という細工をほどこすことができます。これはすごい!

私の場合、家とオフィスがそれほど離れていませんので、同じ画面の中にすぐ近くで実行できる「家」のタスクと、1マイル以内でできる「オフィス」のタスクが並んで表示されています。

残念ながら iPhone の GPS 機能はポケットの中でいつでも起動している訳ではありませんので、おつかいを頼まれていた店の前を通り過ぎたからといって iPhone が自動的に教えてくれるわけではありません。

この機能を使うには必要に応じて OmniFocus を立ち上げ、現在位置を読み込ませてタスク表示をさせなければいけませんので、ちょっと面倒ではあります。コツとして「特定の店で買うもの」「駅前ですること」などのように忘れやすい場所だけでも登録しておくと良いでしょう。

そのほかのすごい機能

OmniFocus for iPhone では、これ意外にもいくつかモバイル端末ならではの便利な機能が追加されています。

たとえば、タスクに「写真」「オーディオ」を添付できるという機能が、あまり目立ちませんが非常に便利です。

「なぜタスクにオーディオを添付するの?」と不思議に思われるかもしれませんが、iPhone の小さな画面でタスクについての説明文をちまちまと打ち込んでいるよりも、声で「このタスクはね…」と説明を吹き込んでしまったり、必要な画像をカメラで撮ってしまった方が手早いわけです。これもとても便利!

OmniFocus は今までどこか「便利だけど、Mac で使わなくてはいけないのでいつでもどこでも使えないのが不便」というアプリケーションでした。

OmniFocus for iPhone の登場でこの問題が解消して、OmniFocus の真の力が開放されたという気がします。ここまできたら、Windows 版も開発してくれないものかと思うのですが…。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。