横開きの自由なアタマの空間、EDiT IDEA ノートブック

日々の記録にはモレスキン、仕事中の書き付けには情報カード、そしてタスクなどを書き留めるのにはロディア。

このように作業によって道具も変わることがしばしばですが、最近そこに加わった新しいノートに、EDiT IDEA Notebookがあります。

開発元である株式会社マークス様よりサンプルをいただいて、じっくりと使っていたのですが、次第に手に馴染んできて、何に使えばいいのか理解できた気がしています。

「クリエイティブな思考を育てるアイデアノート」と銘打たれた EDiT IDEA Notebook の特徴と、どんなことに向いているのかを紹介します。### 横開き、ドット方眼、ゴムバンド

天邪鬼と言われるかもしれませんが、私はこうしたノートがよく掲げる「クリエイティブを刺激する!」「アイデアがわく!」などといった標語をあまり信じていません。

クリエイティブなのはノートに向かう私たちの思考のあり方なのであって、せいぜいが白紙の束に、ふだんと違う何かを引き出す力はありません。

しかし道具としての使いやすさが、馴染みやすさが、ノートに何かを書くことを楽にしてくれることは大いにあります。そしてその使いやすさが、ノートに大量に記録をおこなうことを促すなら、クリエイティブな活動も促進されることでしょう。

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EDiT IDEA Notebook はまさにそうした、一見の平凡さのなかに作りこんだ地味な使いやすさがノートとしての差を生み出している製品だと思いました。

Edit IDEA Notebook の特徴は、横向き、ドット方眼、ゴムバンドとまとめることができます。こちらがいま読んでいる本について作成している読書ノートを書き付けたページなのですが、横長のページは縦長に比べて新しい何かが来た時に、横に、横にと広げて書いてゆくことができます。

何かを書こうと思った時に、外側に余白があるというのは、アイデアを広げるノートにとってとても重要で、この広さはそれに十分応えてくれるわけです。

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こちらが紙面を作っているドット方眼。間隔は7-8mmの青ドットとなっていて、通常利用する黒や青のインクのペンに対して控えめな色合いになっています。

開発者の人にうかがったところ、この7-8mmというのは文字を書いても十分にスペースが生まれる、ノートの罫線を意識した間隔になっていて、定規をあてずともきれいに文字を配置してゆくことができるように配慮されているとのことでした。

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EDiT IDEA Notebook のもう一つの特徴に、付箋のページも存在することが挙げられます。ノートをアイデア出しするホワイトボードのように使うために、このページから付箋をどんどんとページに貼ってゆくことができます。

正直にいうと、そうした使い方を真面目に始めるとこのページに用意された付箋の数ではとても足りなくなるのですが、そうなったときは市販の付箋をここにはりつけておいて使うこともできます。

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付箋はなにもブレインストーミングのためだけではなく、疑問点などを貼り付けておいてあとで回収するという「フラグ」として使うこともできるわけですから、こうして付箋がノートにあることで付箋忘れがなくなるのは良いことといえるかもしれません。

紙は薄手で、派手な万年筆やマジックなどでは裏移りしてしまいますが、蛍光ペン程度ならばまったく問題ありませんので、どんどんとペンと色と付箋で書き込んでいっていいでしょう。

一方、こうしたノートによくある切り離し用のミシン目は入っていませんので、一枚一枚の紙を切り離してつかうのではなく、ノートという単位で使うことが念頭の作り方をされています。

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最後に、これも本当に地味なのですが使っていて愛おしくなってきたのが、このゴムバンドです。モレスキン手帳にも存在するこのバンドは、付箋をたくさんつけてもノートが開いて剥がれ落ちることを防ぎますし、ノートが勝手に開いたり、他の紙が滑りこむのを防ぎます。

しかしこれは使ってみないと分かりづらいのですが、作業を終えた時にこのゴムバンドをパチンととめる瞬間、ノートに何かを封じ込めて飛び出さないようにした安心感があるのです。

ゴムバンドはスイッチのようなものです。ノートを開いたり閉じたりして、アイデアの世界と行き来する際の、無意識に行なう「最初の動作」です。こうした言葉で説明しづらい部分が、意外に道具の良し悪しを決めているんですよね。

というわけで、日本文具大賞も受賞したこの製品。特設サイトもありますので、気になる人はチェックしてみてください。

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堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。