あとで読むサービスPocketの日本語化でみえた「みんなが保存するサイト」ランキング

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もうそろそろ、もともとRead It Laterだったという来歴よりも、新しい名前でのほうが知名度が高い、あらゆるサイトを「あとで読む」サービス Pocket が日本語化されています。

ウェブ版、iOS版、Android版がすでに日本語表示になっていますが、この手の翻訳でよくあるまずい日本語ということも、フォントの崩れなどもなく、これまでメニューが英語で使いにくかったという人には満足のゆく変更になっていると思います。

そして今回のリリースを読んでいると、日本におけるユーザー数の多さ、そして日本で最も Pocket されているサイトのランキングもでていて興味深い情報になっています。### 英語、スペイン語に継ぐユーザー数の日本

今回のアップデートは日本だけではなく、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシアの各言語にも対応する形となっています。それにしても面白いのがこちらのグラフ、Pocket の言語別利用状況です。

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英語が多いのは当然、スペイン語が多いのも世界のスペイン語人口からしてわかります。でも日本語がその次!? 中国語どこにいったの?

これだけのユーザー数がいたからこそ、日本語という、彼らにしてみれば扱いにくい言語の対応も迅速に行われたというわけですね。

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そして、「あとで読む」サービスであるからには、読みやすくなければいけないのですが、各言語ともに表示崩れや、フォントのバランスなど、可読性にも注意をしたアップデートが施されているとのことです。

ところでPocketといえば、はてなブックマークの数字、ツイッターによる記事のつぶやきの数字などと乖離した、独特な「あとにとっておこう」というニーズの可視化ができているのが注目点です。

こうした Pocket の性質上、最も保存されているサイトは、読者が価値を認めてあとで読むために保存するということでもあります。最近よくみかけるのが:

  1. はてブやツイッターの数字はそれほどでもないのに、Pocketされている回数が異様に多い

  2. 話題になっている(炎上?)のに、Pocketの数字がまるで伸びない

というケースですが、前者は「あとで是非とも読みたい」「内緒にしておきたい」あるいは「これを読んでいることをつぶやくのははばかられる」などといったものが数字化できているのかと思います。後者は逆に、話題にはなるものの「保存するまでもない」と思われているのかもしれません。

それを踏まえて、Pocket日本語化のリリースで発表されていた、日本で最もPocketされているサイトのランキングをみてみましょう。

  1. livedoor Blog

  2. Lifehacker

  3. Twitter

  4. Gigazine

  5. Matome.Naver

  6. Gizmodo

  7. Alfalfa

  8. Hatena Diary

  9. Himasoku

  10. Sankei MSN

Livedoor Blog は Pocket ボタンが設置できるそうで、ランキングのこの位置はこうした影響があるのかもしれません。ツイッターのつぶやきや、SNSでやってきたまとめを保存する目的で使われていることが多いのもわかりますね。

Pocketボタンの数字は多少不思議な動きもするのですが、ブログなどを更新している人は、従来の指標以外にPocketにも注目しておくとよいのではないかと思います。

Pocketの使い方や、便利なテクニックについては以下の記事でもまとめていますので、この機会にどうぞ。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。