プロの写真家のワークフローをみるのが Photoshop / Lightroom の一番の近道かもしれない
最近お誘いをうけることが多いAdobeさんから、鎌倉にPhotoshopの伝道者がきてフォトウォークをするのでぜひどうぞ、というご案内をいただきました。鎌倉から車で20分の場所に住んでいるのですから、これはいかねばなりますまい。
その Photoshop の伝道者というのは、先日ソースコードが公開されてもはや歴史的な価値さえある Photoshop 1.0 時代から開発に携わり、かつその広報をおこなってきたラッセル・ブラウンさんです。
鎌倉の大仏を前にしてカメラサービスをしてくださるラッセルさん。ちょっと、いや、相当にお茶目な性格の方で終始ジョークを飛ばして楽しげな様子でした。
ラッセル・ブラウンさんといえば海外では Photoshop (特にCS6まで)のノウハウを公開しているラッセル・ブラウン・ショーでも知られています。一部は日本語字幕もありますので、のっけからハイテンションのその様子をご覧いただけます。本当に、一見の価値があるテンションなんですよこれが…(笑)。
もうひとかた、今回来日されているのが写真家である Lightroom の広報をされているジュリアン・コストさん。報国寺で撮影されている姿が美しかったのでお顔が隠れていますが、あえてこの写真で。
朝の鎌倉で撮影をしてから、昼食をご一緒して、二人にはワークフローの一部などもみせていただき、プロの写真家が作品を仕上げてゆく過程を拝見することができました。
面白いのは、Lightroom 上でやっていることは非常に高度なのですが、手順自体はストレートでわかりやすく、誰でも真似出来そうなところでした。LightroomやPhotoshopといったアプリは機能が非常に強力でわかりにくいという印象があるのですが、最近の進化は写真家の「こうしたい」という意思をユーザーインターフェース上でいかに少ない手順で実現するかに工夫がこらされているのですね。
そうなると、「どうしてそんなフィルタをそこで使うの?」「え、なぜここを調整するの?」といった判断の背景となる考え方を把握するのが近道なわけで、その様子を目の前で見ることができたのは貴重なひとときでした。
「そんなことを言われても、そうしたプロを目の前でみる機会がないじゃないか」といわれるかもしれませんが、それがまさに今回お二人が来日した理由で、今週金曜日にAdobeの Create Now: Plus One Day イベントで基調講演とワークショップが行われる予定です。
今回鎌倉で撮影した写真も使われるかもしれませんし、ジュリアンさんはこのイベントのために一週間先に日本にやってきて京都などで撮影をおこなっておられたそうです。
また、Creative Cloud の新機能についてもこの場で発表がある予定で、ここでは書くことができませんがかなり度肝をぬく内容でしたので一見の価値ありと思います。
楽しく写真の腕を上げたい
それにしても、ブログの取材用にちょっとカメラを触ることはありますが、私自身はとくに理論的に写真にとりくんでいないほうですので、機材とLightroomのようなアプリの力でなんとかしているところがほとんどです。
周囲に写真が上手なかたが多いのですが、こうしてフォトウォークにでかけて同じ場所で同じ時間に撮影をしていても仕上がりの写真は様々で、「どうやったらあんな風にとれるのだろうか?」と不思議に思うことも多々あります。
高機能のカメラが安価で手に入るようになり、強力なアプリケーションがすぐに使えるのは、真面目なカメラ愛好家には多少腹立たしいかもしれませんが、アマチュアの愛好家にとっては手っ取り早くわかりやすい美しい画像をつくれる環境がそろっているということでもあります。
その一歩先、経験や勘が活きてくる領域も、以前よりも門戸が開かれているといってもいいわけですので、練習しがいがありますよね。
せっかく鎌倉のように撮影ポイントだらけのロケーションの近くにすんでいるのですから、もうちょっと頻繁にでかけて取材をしてこようかと思います。