マインドマップは心を写す鏡

いろいろなことに追われているうちに先月の3週間チャレンジの総括がまだになっていました。更新も滞っているし…。本当に反省。

6月はマインドマップの週間を強化するという目標をたててとりくんでいましたが、ScanSnap しやすい A4 の紙や、スキャンしにくい手帳、果ては情報カードの裏やメモのロディアの上など、描くも描いたり 36 枚。

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たとえばこんなものがあります。マインドマップになれてきましたので、なんとなくブランチが平均的になってきて、バランスがとれてきています。個人的に満足の一枚。

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こちらはちょっと深刻なテーマについての講演を聴いていたときのマップ、おどろおどろしいですね。ブランチ同士が絡み合っているのは、狭い手帳で場所を求めて枝が伸びたせいです。話題が暗いと、マップも暗くなるんですね。

一方で、マップがなかなか書けないときもありました。それはたいてい、頭の中が真っ白になっていて、何も考えられないときなのですが、こういうときの対処法については後述します。

細かいルールが気になり始めた

ところで先日 mindmap.jp の伊藤さんとお話しする機会がありまして、その前に Twitter で質問を集めたところ、いくつか興味深いものがありましたので、ビールが回るまでの時間にお聞きすることができました。

この質問は実は訊けなかったのですが、実践した経験では初心者ほど約束をきっちとまもって、ルールに従うことで得られるメリットを十分に意識して、その上で速記用の軽いマインドマップに移行するとよいのだと思います。

伊藤さんの手帳をのぞき見ることもできましたが、自然にマインドマップを描いている人の、気負いのないマップがたくさんあって興味深かったです。

マインドマップについて悩んでいる人はぜひ一度、マインドマップ基礎講座を受講するのをおすすめします。

ここだけの話、どちらかというとマインドマップに懐疑的だった私を「転向」させたのは、深い考察を簡単な言葉に封じた伊藤さんのたくみなセミナーのおかげだったと思います。受けて良かった!

マインドマップは心を写しだしている

しかしそれでもマインドマップが描けなくなる瞬間が数多くあるというのも、今回集中的に実践してみて身をもって体験したことでした。

白紙の紙に向かってもまったく何も思い浮かばない、頭の中までが漂白されたようなときは、当然手も足も出なくて一本のブランチさえ描けないことがありました。

そこで気づいたのが、GTD と同様に、**「マインドマップも自分の心の中を映し出している」**ということでした。

もし私の頭が混乱の極みにあるなら、マップもそうなってしまいます。その一方で鍵となる質問がいくつか念頭にあって、ちょっと考えさえすればイメージがまとまりそうな場合は、すらすらと自分でも思ってさえいなかった方向に向かってブランチがのびてゆくのでした。

そうしたときはむしろ質問を限定して:

  1. これから何を考えるの? Key question はある?

  2. マップを描き終わったときにどんなイメージが頭のなかから引き出されていたらいいと思う?

という疑問を自分に提示してから描くようにすると調子が出やすいということに気づいてきました。混乱した状態にある頭の中にメスをいれ、簡単な質問、大事な質問の周囲に思考を絡ませるという感覚です。

釣りをするときにランダムに糸を垂らすのではなく、魚のいそうなところにまず向かうという、当然のことをこの質問で引き出しているといってもいいでしょう。

今回集中的に描くことで、あらためてマインドマップのすごさは描かれたマップでも、その美しさでもなくて、約束事の中に封じられた思考の仕掛けなのだなといことに思い知らされました。

マインドマップが自分の心の中を映し出す湖面のように感じたことはありますか? 個人的な話でもいいので、コメントでどうぞ!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。