「いつでも」「どこでも」開ける電子メモ「ポメラ」の魅力

昨日の記事で「20分だけ執筆する」「ワープロは使わない」というアドバイスを紹介しましたが、この二つを手軽に実現する強い味方になってくれているのが、去年発売されて最近手に入れた「ポメラ」です。

最初に手にしたときには「なんだか、モビルスーツみたいだな…」とつぶやいてしまったくらいにゴツゴツとしたフォルムで、本当に使うのだろうかと危ぶんでいましたが今では実に深い愛情を感じて使うようになりました。かわいいです、ポメラ。とてもおすすめです。

ポメラについてはいろんなところでレビューがされていますが、ところかまわず文章を書きまくるのが趣味の自分にとっては次の4つが一番気に入った点です。

  1. **「テキストしか打てない」は作業に集中させてくれる: **

Mac 上で Writeroom がフルスクリーンのエディタとして「書くこと」に集中させてくれるのに似て、ポメラの「書くこと」しかできないというさっぱりとした機能は執筆だけに集中させてくれます。文字をボールドにしたり、下線を引いたりという機能さえないのですから、起動したらひたすら書くことだけにエネルギーを注入できます。

  1. 情報が一方通行なのも作業の効率化に貢献

USB ケーブルを通して PC の方から書きかけのテキストファイルをポメラに持ってくることも可能といえば可能ですが、手間を考えると現実的ではありません。

日常的にはポメラを「素早く草稿を殴り書きして、一方的に PC に流してゆくツール」と位置づけることで、かえってポメラの役割がはっきりとしてきて、活用するようになりました。

  1. 2秒で起動・シャットダウンは伊達じゃない:

ノートパソコンだって今では素早くスリープしますが、それでも「ちゃんとスリープしたかな?」と 10 秒くらいは様子を見る時間があります。そうした時間ロスがポメラでは皆無です。

バスに乗ってポメラを使っているときには、降りるバス停に向かってバスがブレーキをかけて停止し始めてからポメラをたたんでしまっても十分間に合います。時間の上では数秒の違いかもしれませんが、この「いつでもスリープ・レジュームできる」という精神的余裕が気持ちよくてたまりません。

  1. ノートパソコンが開けない場所でも OK:
    これも大勢の人が指摘する点ですが、ノートパソコンはどうしても横幅がありますので、バスや電車で座っているときに広げるのは難しいです。

その点ポメラだと、肘が左右に張り出しませんので、左右の人に迷惑をかけずに作業をすることが可能です。

ちょっとだけ心配していた Mac での使い心地も、ちゃんと USB ケーブルを使ってマウントできましたので安心しました。テキストファイルの文字コードが Shift-JIS なので、BBEdit で開いてテキストをとりだしています。

いまポメラにいれて楽しんでいるのが、「書きかけの企画書」「習慣の記録」「ちょっとしたメモ」「ブログの草稿」「ToDo リスト」などですが、それに加えて「ミッション・ステートメント」と情報ダイエット仕事術で紹介した「101 個のゴール」を入れておくのがなかなか効果があります。

こうした大事なテキストを「いつでも」「どこでも」開けるという気持ちの余裕が一番のメリットといえるかもしれません。

やっと手に入れたこの新しいおもちゃの使い方を今後も追求してみたいと思います。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。