「リアルタイムでラジオを聞くなんて...」ラジオサーバー VJ-10 を試してみた
さまざまなメディアが私たちの時間を奪いにかかっている現在、リアルタイムの拘束時間は常に意識していないと、あっというまに時間が過ぎ去ってしまいます。
我が家では新聞はもう購読していませんし、ニュースは友人が出演している番組を録画しておいて飛ばしながらしかみません。テレビをリアルタイムで見る時間は、全体の 10% くらいではないかと思います。
そんななか、コンポの機能の制限もあってラジオだけは比較的リアルタイムで聞くか、MD に録音ということをしていて、あまりの不便さに悲鳴を上げていました。
このたびコンポの MD 録音が故障したのを機に、ずっと狙っていた オリンパス・ラジオサーバー VJ-10 を購入しました。
「サーバー」という名前がついていますが、TimeCapsule のような家庭内 LAN での使用を想定したものではなく、あくまで「ラジオをハードディスクに録音する」という機能に特化した製品です。
使い勝手と、製品ページに書かれていない情報などを以下にまとめてみました。
導入
製品ページでは描かれていませんが、本体に巨大な AC アダプタと、背面に長い FM アンテナ、そして AM ループアンテナがついてきます。それなりに周囲に空間がないと使えない気がします。
AM アンテナの長さはかなり短いので、あらかじめ電波の受信に適した場所に設置することを検討するのがよいでしょう。あるいは別売りの AM ループアンテナを購入するのも良いかもしれません。
ラジオ局の登録は、「関東・東海」などと地区を選び、都道府県を選ぶと、ほとんど全自動でラジオ局をプリセットしてくれます。
また、時計も5分以内の精度で入力しておけば、あとは 0 時や 6 時などの NHK ラジオの時報を使って自動的に補正を行なってくれます。導入までの時間は、5分といったところでした。
操作感
1年前の IT Media の記事でもかかれていましたが、ボタン周辺はすっきりとしていて、どのボタンがどの機能なのかはわかりやすく作られています。
液晶画面にも、現在実行できる操作がわかりやすく表示されますので、こういう簡単なインターフェースでありがちな、どのボタンをおしたらいいのか? と悩むことはありませんでした。
HDD DVD レコーダーなどの操作を知っている人なら、10分もさわっていれば説明書なしでも操作できるようになるはずです。
録音・パソコンへの取り込み
今回 VJ-10 を買ったのはいつも聞いているラジオ番組の録音と、語学講座のためでしたが、こうした繰り返し録音に VJ-10 はラジカセやコンポとは比較にならない便利さを発揮してくれます。たとえば:
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曜日を選んで繰り返し録音の予約ができる。また、録音した番組の名前をちゃんと日本語で入力して整理することが可能。
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番組は自由に設定できるフォルダで整理できます。またファイル名は「番組名_yymmddhhmm.wma」という形で保存されるので、例えば語学講座なら、ある日付の番組を聞きたいというようなときに一目でわかります。(← これ、とても重要)
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USB ケーブルを接続すると、メモリースティックと同様、外部ディスクとして認識しますので、あとはファイルをまとめてコピーするだけで OK です。Windows でも、Mac でも大丈夫でした。
音質はラジオの受信状況次第というところだと思いますが、私の環境では iPod に取り込んで聞いても背景のホワイトノイズはほとんど気にならない程度でした。音質は 32kbps, 64kbps, 128kbps から選べますので、クオリティを必要とする音楽番組などは高音質でとるのが良さそうです。
Mac を使っている身としては録音が WMA しかできないというのは困りどころですが、Flip4Mac がインストールされていれば問題なく聞くことができます。
あとは4万円という値段を高いと見るか、安いとみるかですが、語学や、気象通報などの毎日録音する番組があるひとだったら、大幅な手間の削減になるので非常に安い買い物だと思います。機能的にはこれが足りないというものはほとんどありませんでしたので、あとは録音の頻度と手間とを天秤にかけて、購入を検討していただければと思います。
さて、これでリアルタイムに拘束されていた最後のメディアを開放して、いつでも、どこでも聞くことができるようになりました。でも便利になったということは、今まで以上にラジオ番組を聞き始めるわけですので、時間節約になっているのか、なっていないのか…。