Wunderlistにかわるマイクロソフト「To Do」が提供開始

シンプルなタスク管理アプリとして定評のあるWunderlistがマイクロフトに買収されてしばらく経ちましたが、いよいよその成果として新サービスへの移行が開始すると告知されています。

Wunderlistは今後提供が終了し、ユーザーは新しく提供が開始されたアプリであり、ウェブ版の「To Do」 へと集約されるとのことです。では、この「To Do」についてみていきましょう。

シンプルにもほどがあるシンプルさ

マイクロフト「To Do」はWindows 10、Android、iOS 上で専用アプリが用意されており、それに加えてウェブ版が存在しますので macOS の人もブラウザ経由でタスクを同期して利用することが可能です。

多くの場合はアプリを通してタスクを追加するでしょうから、iOS 版を例に機能をみていきます。

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「To Do」はマイクロフトアカウントを利用して同期をおこないます。すでに Office 365 の利用などでアカウントを持っている人も多いでしょうから、それをそのまま使用できます。

開いた画面は「一日」のまとめとなっており、そこにタスクを追加していきます。非常に簡単な、タスク管理アプリですね。

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一日の画面はトップの画像を畳んで一覧表にすることもできるとともに、タスクが増えてきた場合には次のアクションを提案するスマート機能もあります(しかしこれについては後述します)。

タスクに付随する情報は期限日、メモと通知の有無のみが現時点で設定可能で、これもシンプルです。開始日や、作業時間の設定はできませんし、タスクをペンディングしたり、サブタスクをぶらさげるといった細かいことはできません。また、期限は日単位で、通知時間は設定することができるものの、タスク自体の期限の時刻も設定できません。

タスクには簡単な繰り返しを設定でき、毎日毎週、あるいはユーザーが設定した頻度でのタスクの繰り返しができます。

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タスク管理のリストは「私の一日」以外にも任意に作成可能です。簡単なテーマカラーとトップ画像を設定することができますが、任意の画像は使えませんのでカスタマイズにしてもシンプルです。

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ウェブ版についても紹介しておくと、アプリと高速に同期し、まったく同じ機能を利用することができます。ブラウザのデスクトップ通知を利用してタスクの通知も行うことができます。

現時点では移行を急ぐ必要はなさそう

動作はすばやいですし、Wunderlist に多少あったもっさりとした手触りも払拭されたよいアプリに仕上がっている「To Do」ですが、機能的には非常にもの足りないものがあります。

せっかくマイクロソフトアカウントでログインしているのに、他のアカウントとのタスクの共有機能はいまのところありません。簡単な Outlook との連携機能はあるものの、任意のメールからのタスク追加や、ファイルや位置情報を添付するといったいまのタスク管理サービスならほぼすべてが対応している機能がありません。

現時点は iOS / macOS のデフォルトの「リマインダ」と機能としてはかわらず、積極的に使う理由はあまり見いだせません。

しかし今後の開発が進めば、たとえばSkypeを通じてタスクを送信したり、Word / Excel のなかから OneDrive 経由でタスクをやりとりできるようになるかもしれません。実際のところは、Office のいつも使うアプリのなかに「To Do」が組み込まれたほうが便利なのですが、どういう予定なのでしょうか…。

ということは、少なくともWunderlist そのものの機能においついて、今後の見通しができるまではWunderlistユーザーはそちらを使い続けていても大丈夫そうでもあります。

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あるいは、同様にシンプルなリストを管理しつつも、はるかに柔軟な利用をすることが可能な Todoist に移行するのもよいでしょう。

Todoist の Wunderlist からの移行ツールを使えば、この引越もほぼクリック一つでおこなうことができます。

マイクロソフト「To Do」については今後の開発も注視していきたいと思います。このままということはきっとないでしょうから。

 

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。