広すぎる応用範囲。位置情報をつかったIFTTTの自動化レシピ
ウェブサービスを組み合わせて自動化をしてくれる IFTTT には最近いくつかの進化がありました。
その一つが iOS に対応したこと。iOS アプリからレシピを作れるだけでなく、リマインダや位置情報といった、iOS固有の機能と紐付けることができるようになった点。
もうひとつは、ウェブサービスだけではなく、Philips社のhue、WeMo、Up by Jawboneといった家電オートメーションや、ガジェットにも積極的に対応をしている点です。
これで、なんだか抽象的なウェブサービスのもやもやとしたつながりを自動化するだけでなく、実際に自分が行動を起こしてある場所に移動したときに手元にメールが届くといった、本当の意味で手間を減らすレシピを少しずつ作れるようになっています。
なかでも可能性を秘めているのが位置情報の利用。[本家Life
hackerで特集](http://lifehacker.com/the-best-uses-for-ifttts-location-channel-1501356643)されていたところから、少し自分でリサーチしたところまで、あわせて紹介します。### 位置情報をトリガーにする
まだ使ったことがない人は、ぜひ iOS で IFTTT アプリをインストールし、位置情報のレシピを試しに使ってみてください。
位置情報のレシピは、ある場所の範囲を指定して、そこに「入った場合」「出た場合」「出る場合と入る場合の両方」にトリガーを設定することができます。
基本的なところでは、もちろん「家に帰るころに、特定の人に SMS / Twitter DM / メールを送信」といったことができます。
トリガーとしては「職場の範囲」から出た場合に起動しておくのがよいでしょう(もちろん、昼食に外出した際にも発射されないように、適宜範囲を決めておく必要があります)。
似ているのですが、応用が面白かったのがこちら。「駅で乗り過ごさないように pushover で通知を送る」というレシピ。
もちろん日本のように駅が細かく存在する国で正確に使えるかというと難しいかもしれませんが、むしろ Pushover という、リアルタイムの通知を行うサービスに結びつけることでラグをなくしています。これは応用できそう。
発想を変えて、位置情報に基づいてログが残すためのレシピも作れます。こちらは職場に出たり入ったりするたびに、Google Calendar の特定のカレンダーにイベントを追加することで、出退勤記録をつけようというものです。
そして最も可能性があるのがこちら、位置情報にもとづいて WeMo スイッチなど、ホームオートメーションのスイッチを切り替えるというものです。
部屋の電気をつけておく、加湿器をつけておくといった具合に、ちょっとした家電を動かしておくのもいいですし、このスイッチの先にもっと複雑な装置があってもいいわけです。
これは時間ベースのレシピと組み合わせておくと、自宅に不在時に定期的に電気をつけるなどといった簡易的な防犯の仕組みもつくれます。
Dropbox、Hazel、Automaterも利用して…
Dropbox のファイルに追記を行うといったレシピを利用して、もっと込み入ったことも可能です。たとえばさっきの位置情報に基づいて出退勤記録をつけるレシピはこう書き直すこともできます。
ここで Dropbox には、位置情報レシピの Occurredat という情報をかきこむことで、時間をファイルに追記しています。
これ、いろいろなログのためにも使えそうですよね。
最後に Hazel まで使っている例として、「家にかえると自動的に音楽を再生する」というレシピがあります。
Hazel は、Mac 上で「特定の条件」が成立するとファイル操作を行ってくれるソフトです。ダウンロードファイルが3日以上経過したら削除する、デスクトップのファイルを古いものから別の場所に移動する、あるフォルダにファイルがいれてあったらそれを圧縮するなど、柔軟なルールを作れます。私もかなり愛用しています。
これをどうやって使うかというと:
まず、位置情報にもとづいて、「imhome.txt」とか、適当な名前のファイルを作成するレシピを作っておきます。
Hezel のルールはこんな感じです。Dropbox の設定された場所にそのファイルがあるのを発見すると Automator スクリプトが起動され、音楽が鳴り始めます。その後、IFTTT によって作られたファイルは削除されています。
馬鹿らしい例にみえるかもしれませんが、「音楽をかける」という部分は任意の Automator スクリプト、Applescript、シェルスクリプトでかまわないと考えると、すこし応用範囲が広がります。
もちろん、このレシピは「ある条件が成立したらサーバーのすべてのファイルを消し始める」といったスパイ映画みたいな用途にも使えます(笑)。
IFTTT の限界をこえる
IFTTTには、まだまだトリガーと応答、という単純な組み合わせしか作れないという制限があります。たとえば「午後4時から8時のあいだで職場を出たなら、SMSを送信。それ以外の時間は無視せよ」といったことはまだ簡単にできません。
また、もっと複雑なホームオートメーションのためには、Twineのようなガジェットも応用したいところです。
もちろん、Arduinoをつかってごりごりやるのがいいのでしょうし、興味もあるのですが、それでは自動化して得られるメリットの時間以上に開発にかかってしまって本末転倒になりそうなのでそちらには近づかないようにしておこうかと…。
という弱気なオートメーション趣味な人は、位置情報、時間ベースのトリガーなどを最後に紹介した Dropbox 経由で応用するところからはじめるのがよさそうです。
自動化万歳というひとはぜひ試してみてください。