いつも楽しいことを先送りにしてしまう理由
ワイン好きならだれでも知っているあの悪癖です。
「この最高の一本をいつ開けようか」と思って、「今年の記念日に」「いや、もっとよい機会に」と先送りにしているうちにすっかり飲み頃を逸してしまうことがあります。
GTDTimes経由で知った New York Times の記事に、「どうして私たちは楽しみなことでさえも先送りにするのか」という話題が載っていて、「確かに、確かに」と合点がいくのを感じました。
どうして楽しみなことでも先送りになりがちなのか?
ワインでなくても、たとえば買い物のクーポンを使うことや、近所の名所旧跡を訪ねてみることなど、ちょっとした楽しみを私たちは先送りにしがちです。こうしたことが起こるのは、仕事の先送り同様に、私たちが「将来の時間」に対する過度の期待をいだいているからだと記事では紹介されています。
When there is no immediate deadline, we’re liable to put off going to the zoo this weekend because we assume that we will be less busy next weekend — or the weekend after that, or next summer.
締切がとくにない場合、近所の動物園に「今週行くことにする」のはなんだか気が進まなくなりがちです。今週に比べるなら、来週末、あるいはその次、あるいは次の夏のほうが時間があると思ってしまうのです。
We’re trying to do a cost-benefit analysis of the time lost versus the pleasure or money to be gained, but we’re not accurate in our estimates of “resource slack,” as it is termed by Gal Zauberman and John G. Lynch.
こうした判断の際、私たちは「費やされる時間」に大して「得られる楽しみやお金」などの損益を推定しようと試みるわけですが、Gal Zauberman と John G. Lynch が「時間のたるみ」と名付けた時間の余裕に関する見積は常に不正確になるのです。
つまり「将来どのくらいお金、あるいは時間があると思いますか?」と質問された場合、私たちはお金に関しては「余裕はきっとない」というふうに現実的な判断ができる一方で、時間に関しては「来年の夏? きっとたっぷり時間があるはずだよ」という幻想に陥ってしまうのです。
どうすればこの効果を抑制して、毎日を楽しめるのでしょうか?
記事では、ルールにしてしまうことによって行動に変化を起こすしかないということを紹介しています。たとえば商品券はすぐに使うというゲームにしてみたり、楽しみにも締切を設けて「次から次へと楽しいことをしている」状態をルーチン化してしまうという手が考えられます。
一週間で考えるからなかなか時間をとれないなら、100 時間に一度なにか楽しみなことをひとつずつ予定して実行してゆく、というのでもよさそうですね。
ワインなら、2月の最後の土曜日が「あの、とっておきを開ける日」に決まっているそうです。ん…なんだかそういわれると、その日がとても楽しみになってきましたね。
Google Calendar に「楽しみ」というカレンダーを作って、まずはそこに「あのワイン」を登録しておくことにしました。
楽しみを先送りにして忙しいばかりの人生を生きてませんか? 次の楽しみはいつですか?