Twitter リスト機能を RSS リーダーのように使いこなす
Twitter にリスト機能が追加され始めたことで、まるで TweetDeck のようにフォローしているアカウントの情報の大洪水を小川に変えて読むことができるようになりました。
これに関係して、本場アメリカで注目を集めていたのが、Google Reader のパワーユーザーとして有名だった Robert Scoble が RSS リーダーを捨てて、Twitter リストで情報を集めるようにしたという話題でした。
いますぐ Twitter リストを 100% RSS リーダーの代わりに使えるかは未知数だと思うのですが、すでに重要なニュース、注目に値する情報はまず最初に Twitter にやってくるようになっていますので、素早く情報を集めたいと思っている人は、リストを上手に作ると便利でしょう。
そこで数日間 Twitter リスト機能を使い、いろんな情報を集めてみて感じたことをまとめておこうと思いました。
1. 人を分類するために利用するのには限界がある:
たとえば私は現時点で 118 のリストに加えていただいていますが、みればわかるように iPhone、Lifehack、blogger といったように、私個人のいろんな側面が分断された形でリストに加えられているのがわかります。
こうした分類もある程度までは有効なのですが、私は必ずしも iPhone のことばかり、Lifehack のことばかりをつぶやきませんし、きっと同じリストに入っている人全員がそうでしょう。なので「iPhone 関係者」でまとめたリストが大きくなればなるほど、iPhone の情報ソースとしての S/N 比はノイズの方が多くなってしまいます。
なので、人で分類するのは、よっぽどそのアカウントが特定のテーマしか話さない場合以外は、なるべく少数の最も追いかけたい人に限定しておくのが得策だと考えられます。
2. むしろ情報の S/N 比でリストを作る
テーマが混じり合わない有名人のリストを作った場合も、同じワナに陥る可能性があります。最初にリスト機能でアメリカのアルファブロガーのリストを作ってみたのですが、結局ちょっと「濃い」タイムラインが複製されるだけで、情報としての密度が高くなるわけではなさそうでした。
そこでむしろ「非常に情報の密度が高いアカウント」と「もっとカジュアルでおしゃべりが中心のアカウント」をリストを使って選り分けることをしてみると、何を期待してそのリストを見るかがはっきりとしますので、より効果がありました。
たとえば作ってみたのが「すでに 30000 回ちかくつぶやいている、日本の面白い Twitter アカウント」というリストを作ってみると、「なんか面白いことしゃべってないかな?」という期待でリストを見に行くことができました。
一方で、使っているウェブサービスの公式アカウントだけ、というようなニュース性の高いリストを作ると、そこには最新のアップデート情報ばかりがあるので、「注目すべきニュースはないかな?」という気持ちで見にいけます。
こうした S/N 比の高いリストを作るあたりに、Twitter リストを RSS リーダーのかわりに利用する要点があるように感じます。
3. 人に役立つリストを作ると、自分にも役立ちそう
最初 Twitter のリスト機能は TweetDeck のカラム機能と同一で、自分の好きにアカウントを分類するためにあるのだろうと思っていたのですが、どうもそうではないのだというのが今の印象です。
というのは、Twitter リストは他人に公開することも、他人のリストをフォローすることもできるので、これは「自分のために利用する」個人的な機能ではなく、むしろ積極的に公表するために存在するソーシャルな機能なのだということがわかってきたのです。
たとえば今作成しつつあるリストに、私が使っているウェブサービスのリスト、アプリケーションのリスト、Twitter クライアントのリスト、などがあります。これらは自分自身がニュースを追うためにも利用できる一方で、他の人がサービスやアプリケーションを探すのにも利用してもらえるのではないかと期待しています。
いま Lifehacking.jp のネタ元のリストも作成しているところですので、これも公表したらふだん私が何を優先的にみていて、何を採用し、何を無視しているのかもわかって面白そうです。
最終的には情報の価値で分類される
Twitter のリスト機能は、「フォロー」することのコストが限りなく低くなり、多くの人が 1000 人以上の人をフォローするようになった現状において「情報の価値」で重み付けをする方法を与えてくれたものだといえそうです。つまりは、「ソーシャル・フィルター」なのです
これまで「フォロー数」が一つの影響力のバロメーターのように言われていましたが、どのようなリストに加えられているのかという数値も、一つのソーシャル・カレンシー(ソーシャルメディアにおける影響力の数値化)として認められてゆくのではないでしょうか。
RSS リーダーが個人的な情報収集ツールなのに対して、Twitter リストはそれをオープンにしたものだということも注目に値します。たとえば Lifehacking.jp のネタ元リストを作ったとして、それを利用して同じようなブログを作成するような真似だってできるのかもしれません。
「S/N 比とオープンな利用価値」これが Twitter リストを作る上でしばらくはキーワードになる気がします。