Robert Scoble が GTD コーチングの様子を公開中

Being coached on Getting Things Done | Scobleizer

Robert Scoble といえば、ブログ Scobleizer の管理人でもあり、ビデオやインタビューを通してシリコンバレーの新しい潮流を伝えてくれる才能をもった楽しい人物です。

Twitter や FriendFeed でとてつもないフォロー数をもっていることでも知られていて、いったいどうやったらこれだけの情報を処理しているのかと不思議に思うほどだったのですが、そんな彼もやはり完璧に情報をまとめきれているわけではなかったようです。

以前 David Allen とのインタビューも公開していた彼ですが、このほど GTD のコーチと一日オフィスに座って、GTD を彼の人生に組み込む手ほどきを受けたのだそうです。

日本ではまだ David Co. は活動をあまりしていませんので、こうしたコーチングの実際の様子はあまり知らなかったのですが、少なくとも Robert に関しては次のような進み方をしたのだとのこと。

  1. 簡単な GTD の基礎についての説明をするセッション(この対話で、どうやらクライアントが「どこ」にタスクを格納しているのかを明らかにしているようです)

  2. 紙のノートを取り出して、「頭の中」を空にしてゆくセッション。Robert の場合は 50 枚近くになったようです。

  3. Robert の場合、多くのタスクが Outlook 内にあることが明らかになったので、タスク処理に最も効率的になるように Outlook を調整するというステップがここに入りました。

面白かったのは、今回 Robert をコーチした Michael Dolan さんとの会話の中で出てきたくだりです。意訳で紹介しますと、

「FriendFeed や Twitter を『雑念』のソースというけれども、その『雑念』のソースとどのような合意が形成されているかによって、それは変わりうるんだ。たとえば君の仕事の一部分は誰よりも速くニュースを読者に提供することだから、こうしたツールからやってくる『割り込み』は必然であったりもする。『割り込み」自体が行けないのではなくて、合意ができていないものとのやり取りが思考にとってブレーキになるんだ」

という感じの内容です。なるほど、だからこそ GTD を one on one でコーチングして、あらゆるインプットがクライアント個人にとってどんな意味を持っているのかを把握する必要があるんですね。

そしてクライアントが何をツールとして使っているかを把握して、それにあわせたシステム作りをしなければいけないわけです(この場合、Outlook)

Robert が撮影していた最初のインタビューの様子が公開されていますので、よければご覧ください。

余談ですが、ビデオのなかで GTD のコーチングの値段が示されていました。一対一の二日間のコーチングと、アフターケア二日間で 6000 ドル! (+ 旅費)だそうです。一日コーチングだと 3000 ドル。

これを安いとみるか、高いとみるか…。 こうしたコーチングのサービスが日本でも展開されるようになるといいですね。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。