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「知的生活の設計」Strategy 05:知的生活を「設計」するためのフレームワーク


発売に先駆けて、「知的生活の設計」の第一章を公開している記事の最終回になります。一連の記事はこちらからどうぞ。

知的生活を「設計」するためのフレームワーク

ここまでの内容をまとめると、知的生活とは情報から受ける刺激を長い期間にわたって積み上げ、それを発信してゆくという生き方のことを指す、ということです。

しかしこうした明確なゴールラインのない生き方をそれだけのために何年にもわたって実践するには、確固たる信念やマニアックな情熱が必要です。それは並大抵のことではありません。

また、どのようにしたら知的生活を維持できるのかという問題もあります。ありきたりではない情報のインプットのために、どれだけの本や映画や様々な作品に目を通せばいいのでしょうか? どれだけの時間を毎日費やし、どれだけの資金を確保しておく必要があるのでしょう?

たとえば3年後、5年後、あるいは10年後に満足な知的生活の成果を上げるために、今日できることはなにか? という視点が必要になります。

そこで本書は、こうした知的生活を「設計」するという視点で、私たちの時間の使い方、書斎の構築の仕方、情報収集と情報発信の仕方、そしてお金の使い方についても見ていきたいと思います。

 

知的生活を設計するための5つのポイント

具体的に知的生活を設計するために必要なピースを考えていきましょう。これは「生活のどの側面を設計すれば、より満足な知的生活につながるのか」を考えるフレームワークといってもいいでしょう。

 

①自分の「積み上げ」を設計する

1日たった15分の活動でも10年で考えれば約920時間の蓄積になりますし、週に1度しかできないことであっても10年で考えれば520回の実践になっています。

なんとなく行っていた趣味や好きな活動を、単なる一過性の知的消費ではなく、3年、5年、10年といったスケールで蓄積するためのチャンスと捉えることで、今日の楽しさが未来につながる可能性について考えてみましょう。

 

②パーソナルスペースを設計する

知的生活の積み上げを行うためのプラットフォームとして重要なのが、書斎のようなパーソナルスペースです。多くの知的生活は膨大な書籍や、音楽や映画といったコンテンツから受ける刺激に支えられますが、それを安心して受け取り、蓄積することができる個人的なスペースとしての「書斎」を維持することが重要です。

しかしこれは、必ずしも大作家のような巨大な部屋や書斎が必要だということではありません。

安心して知的生活を営める現実のスペースと、実際の本棚であれ、クラウド上のデータストレージであれ、情報のアーカイブを許容する場所があれば事足りる場合もあります。

自分の生活と資金に合わせて、こうしたパーソナルスペースを長い目でみて設計し、成長させてゆくという視点が必要です。

 

③発信の場所を設計する

あなたの知的生活から生まれた新しい情報を、どこに、どのような形で発信するのかを設計する必要があります。

気づいたアイデアや情報のつながりをメモし、ブログなどに投稿しておくだけで十分な場合もありますが、もっと意識的に得られた知見を広めるために自分でメディアを運営する道だってあるでしょう。

発信をする人のもとには、さらに良質な情報が集まる傾向があります。蓄積と発信、インプットとアウトプットのバランスを考えることは、より豊かな知的生活を楽しむ鍵になります。

 

④知的ファイナンスを設計する

必要となるすべての書籍やすべての作品を買うことができれば幸せですが、そういうわけにもいかないことが大半です。知的な積み上げは即座にメリットがあったり、収入につながったりするとは限りませんので、長い目でみたファイナンスについても意識しておくことが必要です。ある程度の情報のインプットを蓄積してきたならば、それを独自の視点で発信することで活動の助けとなるような収入を得る道もあります。

収入を得るための知的生活ではなく、自分の知的生活が自らを助けるような、長い目でみて維持しやすい経済的な視点もどこかにもっておくとよいでしょう。

 

⑤小さなライフワークを作る

ライフワークは一つである必要はありません。私が「国王は死んだ!」の使用例を集めているように、心の琴線に触れた情報を、感じた違和感を、長い目で集めつづける小さなライフワークをたくさんもちましょう。

そうしたライフワークのすべてが大きな結果を生み出すとは限りませんが、たとえ一つでも10年の積み上げが実を結ぶことがあるなら、

それが結果的にあなたの人生の大きなライフワークとして残るかもしれません。

 

期待しながら生きること

本書では「長い目で」あるいは「結果的に」という言葉がここまでも、そしてこれ以降も数多く使われます。

それは著者として、知的生活がすぐになにかのメリットをもたらすものでもなければ、なんらかのリターンを保証するものでもないことを正直に伝えたいと思っているからです。

しかしそれは、どんな仕事術や、いわゆる自己啓発的な書籍でも同様にいえることです。むしろここでいう「知的生活の設計」は、いま楽しいことを積み上げ、未来により大きな楽しみが待っていることを期待して継続する生き方という意味で、実に手堅い時間の投資の仕方だともいえます。

さあ、未来に期待しながら今日をより楽しむために、あなた自身の「知的生活の設計」を目指してみてください。

 

 

著者について

堀 正岳

「人生を変える小さな習慣」をテーマとしたブログ、Lifehacking.jp 管理人として、仕事術、ライフハック、テクノロジー、文具、ソーシャルメディアなどについて執筆中。2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote ライフスタイルアンバサダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、ライフ×メモ 、Climate+を運営しています。