空間を測るスマートな定規とペンの融合デバイス、Instrumments Zero 1

高級なペン・鉛筆・スタイラスと、Bluetoothによって駆動するスマートな定規の融合したデバイス。それが Instrumments Zero 1 (インスツルメンツ・ゼロ・ワン)です。

「定規?なんでそんなものをスマート・デバイスにする必要があるのだろう?」と思うかもしれませんが、ふだん定規をあてることができない場所、測ることができないと思っていた場所にそれを適用することで「空間を描き出す」= dimensioning (ディメンジョニング)という新しい便利さが生まれるのです。

今年グッドデザイン賞を受賞している Misfit Ray をデザインしたチームが作り出す新しいスマート文具について紹介します。

いままで測れなかったものを測る

Instrumments Zero 1の下半分は、ペン・鉛筆・スタイラスの3種から選べるアナログツールです。そして上半分は、コロコロと転がり、表面の距離を正確に測定することができる定規になっています。

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実はとある場所でこの製品のプロトタイプを触る機会があったのですが、この手のガジェットによくある、「ペンの部分が残念」ということがまったくありません。滑らかで、高級感のあるストロークを描き出せるボールペン、あるいは製図に最適な硬質な鉛筆は、もっていて自慢できるクオリティです。

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上部の黒い部分は、レーザーによるガイドを表示し、Bluetooth でスマートフォンと接続して正確に長さを測ることができる定規になっています。これも試してみたのですが、正確に何度も同じカードの一辺を測定したところ、私の手の震えなどの誤差の方が大きいくらいで、0.1mmまで正確に測定ができました。

スマートフォンと連動していますので、何度かに分けて「縦・横・高さ」の次元を計算して面積・容積に変換することも自在です。

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そしてここが肝心なのですが、定規ならば平らな表面にあてないといけないところが、Instrumments Zero 1だと、曲面でも、定規を当てづらい場所でも測定できます。

これがなかなか面白くて、いままで「こんな場所は測れない」という固定観念があったのでおおよその距離で認識していたものや空間を、ちゃんと数値化できるのです。

IndieGoGoで出資募集開始!日本語化は?

Instrumments Zero 1はただいまIndieGoGoで出資を集めているところですが、出だしはなかなか好調なようです。

開発者の人とも会って話したのですが、アプリはもちろん日本語化を検討しているところですし、日本で使用できるように手続きも通すために手はうっているようです。また、ガジェット自体についても、単に測定する以外に機能はしだいにアンロックされてゆくのだそうです。

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妄想が広がるのは、たとえば空間を描き出したら宅急便の値段やサイズが自動で表示されたり、A4にぴったりコピーするための正確な倍率が算出されたり、寸尺反のような伝統的な単位に変換できたりといったことができたら面白い気がします。

空間を意識するガジェットというのは、以外に盲点でした。そしてそれを手に持っていて喜びを感じるクオリティと重さのバランスのあるデザインのなかに封じ込めているのですから、ぜひ出資して使ってみたいと思ってます。

Introducing 01: World’s first #dimensioning instrument. Order NOW on @indeigogo Get it for the holidays. https://t.co/ucrhJZiEp7 pic.twitter.com/gyUl6CNG0L

— InstruMMents (@InstruMMents) 2016年11月1日

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(情報開示:この記事を書くにあたってInstrumments Zero 1の開発者らとお会いしてプロトタイプを触り、日本での展開にむけてアドバイスをしていますが、現時点では私はあくまで応援する立場で、広告等は引き受けていません)

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。