すべてのタスクは「20分」で終わらせるべき

電話であれ、書類を書くのであれ、食事や友人との会話も、すべて20分で終わらせるべきです。異論は認めません。

すくなくとも、真剣なのか冗談を言ってるのかわからないThe Outline のこの記事の著者はそう思っているようです。

Everything should take 20 minutes | The Outline

理由はこの記事のなかでもきちんと説明されてはいません。

10分は作業をする時間というよりはちょっと寄り道をした程度の時間の使い方で、30分以上一つのことをしているのはその時間をつかってTV番組が見られたのに!という気持ちを引き起こしてしまうのがその理由だというのですが、なるほど30分の作業は一時間と質的に似たようなものだというのはあたっているかもしれません。

犬の散歩も、飲み会で一つのドリンクを飲み干して話題を変えるのも、スマートフォンでアプリをいじくるのも、すべて20分単位がちょうどよく、それ以上は浪費だというわけです。

この記事自体は、狭いスマートフォンの画面を覗き込んでばかりなのにやることが多すぎて気もそぞろなミレニアル世代に向けたジョークなのかもしれませんが、言い分には納得できる点もあります。

20分単位で生きることでペースを生み出す

一日の仕事をいくつかの断片に分けたとして、中だるみもせず、かといって何も達成できないほどに短い時間ではない、ちょうどよいペースは何分でしょうか? たしかにそれは20-25分程度になるのではないでしょうか?

たとえばメールを書くのに20分以上かけていたとして、それが30分、40分、50分になったとして、20分で書いたものの倍以上良いものになるとは言えません。

買い物も20分以上迷っているなら、それはどこかに無駄を楽しんでいる心理が隠れているようにもみえます。

この「20」という数字はもちろん人によって多少前後する数字なのでしょうけれども、これが40分、50分になるとは考えづらいですし、10分ほどの短さに収まるとも思えません。やはり20分前後は集中力を持続させ、一つのことにコミットするのにちょうどいい時間なのかもしれません。

もちろんそれが生産性を高めるペースなのかを検証するには、こうして言い張ったり感覚的に語る以上の調査が必要です。しかし一旦、すべてのタスクを20分で完了させるべき、と決めてみたとしましょう。

すると一日の多くのタスクから無駄なしっぽの部分を取り払い、少し急かされているような勢いのあるペースで物事を片付けていけるようになります。

もし20分で仕事が終わらないなら、仕事を始めるのに20分、仕上げるのに20分、チェックするのに20分でもいいでしょう。

とにかく時間に切れ目を入れることを受け入れることで、そこにむけて行動の密度を凝縮できるのは、思考のハックと言えるのです。

(所要時間:19分30秒)

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。