ブログにもカタログにもなる、Google+の新機能「コレクション」

イングレスの影響もあってユーザーが局所的に増えているとも言われている Google+ に新機能、「コレクション」が追加されました。

一見、Pinterest と似たような、あるテーマで投稿の集合を作り出す機能なのですが、いったいどうしてこうしたものを作ろうとGoogleは思ったのでしょうか?

確とした理由はわからないのですが、実際にさわってみるといまのSNSの苦手な部分を得意な部分で包み込む、面白い構造をしていることがわかります。### コレクションをみてみよう

コレクション機能は、Google+の左上にある「ホーム」ボタンから呼び出します。まず最初に、コレクションを作るところからはじめなければいけません。

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Pinterestの発想でいくなら、テーマにそった形で「気になった絵」「猫写真」「好きな服のデザイン」といったコレクションをつくるといいでしょう。

このとき、共有する先を一般公開、あるいは特定のサークルむけに設定することができます。あとで触れますが、ここがミソのようですね。

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コレクションにコンテンツを追加するには、通常の投稿と同じようにテキスト、フォト、リンクなどを追加します。

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このような形で投稿は事前に編集できますので、これでよければ投稿します。コレクションに投稿されたコンテンツは、普通のGoogle+投稿のようにストリームに流れますが、コレクションのページをみればPinterestのボードや、ブログのように見ることも可能です。

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Pinterestのpinのように、他の人の投稿をコレクションのなかに再共有することもできます。

シェアしたい投稿の共有ボタンを押すと、「コレクションに再共有」という選択肢が増えています。

ブログにも、カタログにもなる

一見、Pinterestのコピーをした機能のようにみえる「コレクション」ですが、小さな、でも本質的な違いがあります。

それはコレクションを作る際に選択肢にあった「サークル」を選択できる機能で、コレクションは最初から特定の人向けに作ることができるように設計されています。

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普通に一般公開にしておくなら、コレクションは通常の投稿と同じにみえるのも面白いです。

たとえば私のすべての投稿を読むつもりがなくても、私がシェアするガジェット情報だけをフォローしたいという人がいるかもしれません。

そうした場合は、私のほうで「ガジェット情報」というコレクションを作成しておけば、その人はそのコレクションをフォローしておくことで私の情報の特定のサブセットだけをフォローすることができます。

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ということはこれは Pinterest のボードよりは、Flipboard のマガジン機能に似ているといえそうです。

Flipboardのマガジンは共有する情報をさまざまなテーマにそって分流することができる機能で、興味のあるものだけをフォローすればいいので情報の受け手に大きなメリットがあります。

これ、工夫すればいろいろと使えます。たとえば:

  • 個人でキュレーションしている情報を、テーマごとにコレクションとして提供。個人の投稿と、峻別することをする

  • サークルにむけてコレクションを運営する。サークルに加えられた人だけの限定コミュニティづくり

  • 公開・非公開のブログのような運用方法

  • 製品や写真などのカタログとして

コレクションはストリームのなかの投稿のように振る舞うくせに、すぐに流れて消えてゆくGoogle+のストリーム上の情報を、もう少し引き止める効果をもっています。

FacebookにしてもTwitterにしても、SNS上の情報というのは引き止めることが基本的にできません。それをGoogle+のコレクションは、ストリームと調和した形で解決しているのですね。これは頭いい。

最近Flipboardを整備しようかと考えていたところですが、これならGoogle+も面白いかもしれません。しばらくいろいろと弄ってみようと思いますので、Google+にいる人は私のアカウントをフォローするか、コレクションをフォローするかで確認してみてください。

情報を多岐に分流させて、フローのなかにもストックを生み出すような使い方がしてみたいひとは要チェックです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。