快速コラボレーションサービスQuip 1.7の進化がめざましい
以前紹介した、元Facebook CTOのBret Taylorらの新プロジェクト、Quipの開発ピッチが上がっています。
ただの文書コラボレーションならば、Google DocsからEvernoteまでさまざまありますが、Quipはチャットを軸とした会話的なサービスです。「コラボレーションが可能な文書サービス」なのではなく、コラボレーションが文書を生み出す仕組みを作っているのです。
そのQuipがバージョン1.7になって、さまざまな新機能が追加されています。さらにコラボレーションを楽にするコメント機能、テーマ機能などです。
他の人とコラボレーションはしないという人でも、一人でQuipを使うメリットはありますので、チェックしてみてください。### ハイライト&コメント
これまでも文書の行を指定してコメントを入れることはできましたが、今回実装されたのは任意の場所にハイライトを挿入し、コメントをいれる機能です。
ハイライトを入れた部分に対してはコメントをいれつつチャットに書き込むことが可能ですが、ここで添付ファイルも加える事ができるというのが、Google Docsなどとの違いです。
小さなことのように思えますが、コメントを文章だけにするのは伝えたいことが複雑な場合かえって手間がかかることがあるので、この機能は地味に使いそうです。
コメントに対する「いいね!」の機能も追加されています。これも地味ですが、他人の書き込みに対していちいち「了解」と書き込むよりも、「わかった」「確認した」「了解」といった意思表示を1クリックでできるのは楽です。
文書履歴&テーマ
Quip 1.7では文書履歴も追加されています。文書の変更はチャット欄に次々と追加されますが、その任意の点に戻すことが可能です。
これもチャットのなかでというのが面白く、「この会話があった場所まで戻そう」という直感的な戻し方ができるわけですね。
テーマも4種類が追加されており、日本語でみてもどれも美しい仕上がりになっています。そもそも、インターフェースと文書との親和性がとてもいいんですよね、Quipは。これも使っていて気持ちのいい部分です。
速度!速度!速度!
これだけではGoogle Docsなど、他の文書コラボレーションサービスから離れる理由にならないかもしれませんが、Quipの魅力はなんといっても同期の速さです。
上記のハイライト、コメント、変更履歴の機能はすべてiOS版のQuipでも利用でき、しかも同期はまさに秒単位です。パソコン版のQuipにかきこんでいると、目の前のiPhone上のQuipが数秒遅れで更新してゆくさまはみていて快感です。
しかも全機能がiOSアプリから使用できるということも、どちらが主で、どちらが従ということがありません。これも一つのメリットです。
私はコラボレーション機能を使わない時も、出先で数秒の時間をみつけてはQuipに対して文章を数文字ずつ書き加えるといったことをしています。同期の手間を考える必要がないので、80%くらいの完成度まで文章をそこで仕上げ、その後内容をコピー&ペーストして他のツールで完成させるといった使い方をしています。
ただし、まだ足りない機能もあります。文書はいまのところPDFでしかエキスポートできません。これはハイライトなどの機能に比べて彼らにとって優先度が低い、あるいはそもそもエキスポートを目的としたサービスではないということなのかもしれません。あるいは文書サービスは今後投下する機能の一部分にすぎないということも考えられます。
とにかく、開発スピードは非常に高く、日本語化もすでに進められていますので今後も進化が楽しみなサービスであることは間違いありません。
当ブログでは過去にQuipについて以下の記事を書いています。