文書コラボレーションを変える「Quip」日本語版が提供開始

Quip

会話をするように文章共有しながら作ってゆくサービス、Quipの日本語版が提供開始となっています(以前紹介した時の記事はこちら)。

以前のiOSアプリでもウェブ版でも日本語は使用可能でした。しかし今回のアップデートで画面が日本語化されて操作が楽になったのと、日本語周りのバグもいくつか修正されているようです。

ところでツールに本来の意図を超えた使用方法がいろいろあると、それは自由度の高さを表すものであり、ツールの可能性を示すものでもあります。Quipは開始早々そうした遊びが楽しいものでした。### チャットルームと化してしまうQuip

例えばquipは文書の横にチャットがあるのではなく、アプリ内では文章よりも優先してチャット部分が表示されるという仕様があります。それだけ、会話が重視されているんですね。

するとQuipについて意見を交わすのに当初Skypeを使っていたのが、自然にこのチャットの部分に会話が流れ込み、そこだけで完結できるようになりました。Quipはウェブ版も、iOS版もすべて同じように表示されますし、凄まじい速さで同期がされますので、Quipがそのままチャットルームと化してしまったわけです。

Quip2

まだ現時点でエキスポートはPDFのみであったり、実用性にハードルが残っている部分もありますが、会話がうまれるスピードで文書が作成できる体験はぜひ早いうちにしてみてください。コラボレーションのハードルが「距離」ではなくて「会話ができるかどうか」だということが体感できると思います。

ところで今回のこの記事の文章も、実はQuipで書いています。多少眠いのでごろりと楽な姿勢をとってiPhoneでだいたいの部分を音声認識で入力し、「どれどれ」と身を起こしてMacbook Proに向かうとすでに文書はそこにあります。あとは文章を整えてコピー&ペーストして投稿するだけです。

ブログの下書きに、タスクリストに、議事録、買い物リスト、掲示板など、「文書」的な構造をもっているものの受け皿としてなんでも利用できる、今後の開発の流れが楽しみなサービスです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。