2012年の年間レビュー (1) 何がうまくいき、何がうまくいかなかったか
The Art of Non-Conformityのクリスが今年も年末の「年間レビュー」を始めています。
これはブログの一週間分の投稿をたっぷり使って一年を振り返るという、クリスが毎年やっている習慣で、多くの読者がそのテンプレートにそって同じようなレビューを書くようになりました。
そのフォーマットは単純で:
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今年を振り返って何がうまくいったか、何がうまくいかなかったかをレビューする。
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次の一年の目標と集中すべき点について考える
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目標を達成するために複数の道筋があるなら、どれを選ぶか考える
これだけです。ここだけを読むとなんだかとても意識の高い感じがしますが、クリスがこのように付け加えているのは注目に値します。
こうした目標設定に抵抗感がある人は、間違った目標を見ている可能性がある。目標というのは個人的で、自分を開放するものであるべきだ。一般的で自縄自縛にするようなものではなく。もし目標をあとで変えたくなったらいつでもそうすればいい。しかしきっとたいていの年はその必要はないだろう。
1年後に自分がなるべきスーパーマンを想定した目標づくりではなく、自分をそのなかに向かって開放してゆく目標。一年後の自分に向けた、子供を育てる親のような優しいまなざし。そんな目標づくりをしてみてもいいでしょう。
私も、今年は波乱の一年でなかなか落ち着く暇がありませんでしたが、だからこそここでちょっと一年を振り返り、来年に向けた考えを据えておきたいと思います。
何がうまくいったか
今年、Lifehacking.jp では これまでのところ243の記事を執筆しました。この数字は2011年とほぼ同じです。
なるべく一過性のニュースに飛びつかず、長い目でみて意味のありそうな話題に絞り込むことを意識した結果記事の数は減ってしまったのですが、Google検索の様子を見る限り多岐にわたる読者のみなさんにお読みいただいているみたいでまずは感謝と満足を感じています。
書籍については、それまでが異常な進行だったので今年は比較的落ち着いていますが、2012年は本が2冊発行されました。
一冊目は講談社ブルーバックスから「理系のためのクラウド知的生産術 」です。本業である理系研究者の立場から「時間を節約するためにどのようにクラウドを活用するべきか」という1点に集中した本になっています。
とても嬉しいのは本書を読んで「研究室で非効率的なメールのやりとりを減らした」「Evernoteで研究ノートをとるようになった」といった報告をいただくようになったことです。本業でもこの本が「名刺」のようになりつつあるのでこそばゆいやら恥ずかしいやらです。
二冊目は、みたいもん!のいしたにまさきさん(@masakiishitani)、ネタフルのコグレマサトさん(@kogure)との共著で、これまでのEvernote関連書籍を集約した「Evernoteオールインワンガイド 」です。
これまでEvernoteについて書き続けていたからこそ生まれた一冊で内容的には満足しているのですが、Evernoteの UI が常に変わり続けるのですでに内容が古くなっているのは痛いですね…。
日経BPアソシエの雑誌連載を始めたという変化もありました。こちらは来年も続きますので、どうぞよろしくお願いします。
また、ちょっとおもしろい取り組みとして「ライフハックLiveshow」というGoogle+ ハングアウトの生放送番組を日曜日夜10時から開始しました。こちらは2012年最後の回になる前回で35回目を迎えています。
7月にはもう一度ポートランドへ向かい World Domination Summit に参加することができたのがとてもよい思い出です。2年目ということもあって、大勢の知り合いと再開し、さらに多くの宿題をもらって帰ってきました。
12月には本業の会議の合間を縫ってサンフランシスコの新しい Evernote オフィスを訪問することができました。こちらについてはまた後ほど記事にする予定です。
本業である研究でも日本の厳冬を説明する面白い研究に携わることができたこと、家庭でも二人目の子供が生まれたことなど、大きな出来事がいくつかありました。
何がうまくいかなかったか
なにがうまくいかなかったかを考えることは、「うまくいったこと」の反照をみることでもあります。
たとえばブルーバックスの本を実際に書いていたのは2011年末ですので、2012年はほとんど本の仕事をしていないことになります。今も出版社との仕事で進行中のものはありませんので、ちゃんと企画案をいろいろ練って形にする必要があります。
ブログの書き方にもむらのある一年となりました。書きかけの連載、ちゃんとアクティビティを高めないといけないコミュニティの活動など、忙しさの合間に滑り落ちているものがあまりに多すぎます。
一年を振り返ると、「行動をはじめること」が少ないのがいまさらながら気になります。「こうすればいいはず」「このように手を打とう」といろいろ計画を立てていますが、それを実行に移すだけの時間を割り振ることに失敗しているケースが数多くありました。その多くは**「とりあえず始めること」**に失敗しているというものです。
これに対抗するには、とにかく毎日何かをスタートさせること。思考よりも行動を優先するという日常のレールづくりが必要になります。これについては明日以降のレビューで触れましょう。
生きていることに感謝する一年
しかしうまくいかないことが多かったからといって、悔しいということも、落ち込むということもあまりない一年でもありました。
というのも、一年の最初に一年分の悲しみがいきなりやってきたからでした。
この一年、私と家族にとっては不意にやってくる悲しみや、やるせないため息に耐えるだけでなく、何気ない夕焼けや青空や木々の緑、子供が不意にみせる表情により深く感動する一年だったように思います。
毎日が授かりものだと思えると、うまくいかないことも解くべきパズルか、障害物競走程度にしか思えません。
このことは2013年にむかって大きな力となるはずです。
さて!明日はこのテンプレートにしたがって目標設定などについてまとめてみたいと思います。
ご自分でも年間レビューをまとめたというかたはぜひ、ツイッターで @mehoriあてにお知らせください。