セミプロブロガーの憂鬱:#05 決して止まらないネタのサイクルを生み出す
ブログのネタを絶やさないことは、更新の大前提です。
ネタを絶やさずにブログを更新し続けるには周囲にあるものをすべて「ネタ」として切り取ることができるような「目」、ネタフルのコグレさんが「ブログ脳」と呼ぶ独自の情報に対するフィルターを獲得することが必要です。
しかし先週も書いたように、すべてのことに興味をもっていても反応できるだけの時間的な余裕がない場合には、全方位的にネタに反応するよりも、あらかじめネタにふるいにかけておくことが現実的な場合もあります。
そうすることでブログの特徴を作り、更新される記事が長期的に一貫するように意識するのです。私はこれを「ネタサイクル」と呼んでほぼ2週間でグルグルと回るようなイメージで更新をしています。### ネタサイクルの実際
たとえば非常におおざっぱに作ったこのブログのネタサイクルは次のようになっています。ご自身で作られる場合も MindMeister のようなマインドマッピングツールを使うと、5分程度で自分の興味を俯瞰できます。
たとえば書籍紹介があったら、つぎは文具に飛び、最近ライフスタイルについて書いていないなと思ったらそちらに飛びといったようにバランスを考えながらこのサイクルを回していきます。
さらに細目を追加して文具は文具でもモレスキンについて言及した場合や、ノート・手帳に言及した場合とを区別するのでもいいでしょう。
こうなってくると、自分の興味や扱っているネタの空間がとても直感的にわかります。もちろんこのマップをある程度固定させて運営してもいいですし、常に変化させながらまわすのでもいいでしょう。
ネタサイクルは「自分は何に興味があるのか」を広がりで意識して、それをブログにマッピングするために利用する補助的なものなのです。
理想的には、一つ一つの枝に対してそれぞれ「ネタ元」となる RSS や Google アラートが一つあるとネタ探しの際に楽になるでしょう。
ネタサイクルをもつメリット
こうしたマップを一つもっていると「情報を絞り込むことが容易になる」というメリットがあります。
たとえばマップを横目にみながら「最近文具と書籍について書いていないな」ということを意識したなら、その方面を中心に情報収集をすることで常に全方位でネタを探さなくてもすむようになります。
また、ネタサイクルは「○○については記事にしない」という Don’t Do リストとしても使えます。ブログのカラーを一定に保つために、こうした話題には触れないというルールがあらかじめ作ってあるわけです。
たとえばこのブログでは、わざわざ論争を呼びそうなネタや、政治色の強いものはあらかじめ除外することを基本としています。
ネタサイクルを裏切る
しかしネタサイクルには、更新が画一的になるというデメリットもあります。なにについて書こうかという迷いがなくなる反面、その固定観念の枠がじゃまになることもあるわけです。
そこで、あえてこのネタサイクルから逸脱して、本来自分が安心して書けるネタから踏み外すこともたまには必要になります。
たとえば先日の政治がからむネタなどは、あえてルールを破っている例です。
自分の「安心領域」の外で記事を書くのはけっこう精神力を消耗する作業ですので、余裕があるときに挑戦して、そこまでの余裕がない場合は安心できるネタでの更新をするといったバランスをとれるはずです。
サイクルが精神の安定に
こうしたネタのバランスは、頭のよいひとなら自然にとれるものでしょうし、わざわざ書き出さなくてもよいものかもしれません。
しかし、毎日にはさまざまなことがあります。調子のよい日もあれば、仕事が大変でどうしても気分が上向きになれない日もあります。
調子が悪い日、しかしそれでもブログを更新できないとさらに気分が沈んでしまいそうな日というのもあるのですが、ネタサイクルはこうした短期的な精神の乱高下をならすためにも効果があります。
「この話題なら今日は書ける」「今日は気分を変えて久しぶりにこの方面を探そう」という気持ちになれればしめたものです。
なぜ調子の悪い日にそこまでしてブログを書くのかといわれそうですが、逆なのです。調子が悪い日だからこそ、大好きな話題について「書けた!」ということが頭のなかで大きなスイッチとなって明日へとつながるのです。
ギターに六弦が、一年に十二ヶ月があるように、私にとっては常にどこかで漠然とイメージしている「ネタのサイクル」が自分の興味の固有振動を生み出し、新しい話題へと誘惑し、裏切りをそそのかしてくれるのです。