どんな会話でも常に相手を「いや、それは違う」と否定してしまう心とその予防法

Thumbsdown どんな会話をしていても「いや、それは違う」とか「それはこちらでしょう」などと否定することが会話の基本になっている人、たまに見かけますよね。

そうした人は洋の東西にいるようで、先日のブログHappiness Projectの記事でもそういう人のことが紹介されていました。

A person with oppositional conversational style is a person who, in conversation, disagrees with and corrects whatever you say. He or she may do this in a friendly way, or a belligerent way, but this person frames remarks in opposition to whatever you venture.

私が反抗的会話スタイル、OCS (Opposition Conversation Style)と仮に呼んでいるこのしゃべり方をする人は、会話のなかであなたのいうことをすべて否定して、訂正してくるタイプの人です。その人はそれを親しみのある調子でおこなうかもしれませんし、好戦的な調子でおこなうかもしれません。しかし共通するのは、あなたが何をいってもそれを否定・訂正する形でしかしゃべらないという点です。

おっと、周囲にこんな人がいる気が…。いや、自分か!?

不安が会話の手綱をとってしまう

たとえば「Aは重要だよね」と話しかけると、「いや、それは実は誤解で B が大事なんだ」というやりとりが1度や2度ではなく、常に、常に、常に、十数回連続で続くという場合です。ときには時間をおいて「Bが大事だよね」ともちかけると「いや、Aだよ」と以前とは別のことをいう場合も。

言葉だけをみているととても嫌な人のようにみえますが、私には不思議とこうしたパターンにおちいる気持ちが理解できます。

「自分はこの場にそぐわないじゃないか」という気持ちがあったり、「見くびられたくない」という不安があるとき、あるいは単に好きな人の前でかっこいいところを見せたいという気持ちでいるとき。

こうしたときに、強がって無理矢理にでも会話の手綱を握ることで「自分は他の人にひけをとらない」というポーズをとってしまいがちな気がします。これも承認欲求の一つの形といえそうですよね。

もちろん、会話において常に相手に同意する必要はなく、あえて逆視点を振ってみたりしつつ議論をするのは楽しいものです。ただ、常に、常に、常に相手を否定・訂正するところが会話のパターンだと相手もしだいに疲れてきます。

簡単な予防法

よくよく思い返すと、自分も家内相手にこうしたモードに入って怒られたことがあったり、無用に強がることがあってこれは注意しないといけないと意識したことがあります。自分としては単に会話のキャッチボールしていたつもりなのですが、気づいたら相手を否定してばかりとか、冷や汗ものです。

そこでなんとなく今日はまずいのではと思ったときは、本当に単純な予防法なのですが:

  1. オフ会など、初めて会う人が大勢いる場所に行くときに「自分は何かを見せつけなくてはいいんだよ」「今日は周囲から学ぶ日だ」とリマインダをかけるだけで心のモードが切り替わる

  2. 「ふーん、そうなんだ」「それは初めて知った」を何度口にできるかを数えてみる(OCS的なモードに入るとこれがゼロに…)

などを自分に言い聞かせることがあります。言葉を変えるだけで、心のモードが切り替わって相手との会話を楽しめるのだからいいことばかりです。

逆にこうした逆のことばっかりている人を見かけた場合の対策として Happiness Project では「それで君はどうしてそう思うの?」となるべくフランクに、しかし会話の議論のレベルを一段階上げてみると、実のところその人がどう思っているかを垣間見ることができるかもしれないという解決法を提案しています(単にほんとうに嫌な人だったということも有り得ますが!)。

ええ、私がこういうモードになっているときはこの手でどうしても下馬して会話できない私を諫めてもらえればたいへん嬉しいです。

みなさんのまわりにはこうした人はいますか? 会話がつらくなってきたらどんな手を使っていますか?

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。