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Dyson Cu-Beam Duoに学ぶ、作業環境に理想的な光のありかた



Dyson長期レビューブロガーの一人として、ジェイク・ダイソンの開発したデスクライト、Dyson CSYS タスクライトを使用させていただいているのですが、いつも気になってのは間近でこのライトを点灯していてもまったく目に負担がないという点でした。明るさはものすごいのに、です。

これはもちろん、CSYSタスクライトが直接光を目に照らすのではなく、光の円錐をライトの下に作ることで手元を明るくしているからなのですが、この快適さを机だけでなく、部屋全体にも拡張する場合、どのようなやりかたがあるのだろうかと思っていました。

それを実現するのが、同じくジェイク・ダイソンのチームが開発した、オフィス用の照明システム、Cu-Beam サスペンド型ライトです。

先日、新製品であるアップライトとダウンライトを複合した Cu-Beam Duo の製品発表会に行く機会がありましたので、そこから写真でご紹介したいと思います。

部屋の光にも、意識的でありたい

これまでも掃除機やドライヤーでみてきたように、Dyson はちょっと細かすぎるのではないかというレベルのこだわりをもっています。そうしたこだわりが、潜在的で、多くの競合会社が「そういうものだ」として解決を試みない問題に着目して、それをエンジニアリングで解決するスタイルを生み出します。

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イベントでは模擬オフィスが設置されていて役者さんが働いている様子がプレゼンされていたのですが、オフィスにおいてよくみかけるのは、このように天井照明だけで周囲も、手元も明るくしようという方法です。

そんなことはオフィスのつくりとして当たり前のようにみえますが、これがさまざまな問題を生み出します。

たとえば、手元を明るくするために天井照明は非常に強くなりがちですが、そうすると強い影が手元に落ちてしまったり、天井照明が見えている角度の人には目にグレアが入ったり、一つの照明では明るさを維持できないので複数設置した結果、影が複数現れたりするという問題です。

また、よくオフィスで使用される蛍光灯にはフリックという瞬きによって頭痛が生じる問題や、メンテナンスのコストも馬鹿になりません。

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そこで Cu-Beam Duo を使った様子がこのようになります。単一の光源から上と下の両方に強い光が発せられ、下方向の光はピラミッド状に手元を照らし、上方向へのひかりは天井に反射して包み込む環境光を生み出します。

面積に制限はあるものの、こうすれば単一光で周囲を影の重なりもなく照らせる上に、顔が直接光で照らされませんので、グレアの問題がなくなります。

強い単一の LED を生み出すテクノロジー

この強い光を実現するために Cu-Beam Duo では、CSYSタスクライトと同様に強い LED を使用していますがこれには熱という壁があります。

照明器具にかぎらず、車両などでも LED を搭載する際に問題となるのは、熱をどのように逃がすかという問題で、これを解決しないと急速に機器が劣化してしまいます。

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これを解決するために、Cu-Beam シリーズでは、CSYSタスクライト同様のヒートパイプテクノロジーを導入しています。

これは真空のなかに水蒸気を封入した管で、加熱されて真空中で蒸気となった水が効率よく熱を管の反対側に輸送するという仕組みになっています。

冷えた蒸気は凝結して水に戻りますので、それが管のなかを毛細管現象で戻って循環するという、熱を加え続ける限りは単純な熱伝導よりも効率よく熱を運んでくれます。

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そうしたわけもあって、Cu-Beam の光は中央の一箇所からしか出ていないのに、両側に翼のようにヒートパイプと放熱板がついたデザインをしています。

光と関係ないぶぶんが製品の見た目の八割というのは、なかなかに強気のデザインで驚きます。でも、天井から吊り下げるものですから、すぐに気にならなくなるのでしょう。

手元は光のピラミッドをつくり、部屋は単一光の反射で包み込む

こうして、Cu-Beam Duo は上下に光を生み出すわけですが、先ほどの役者さんの例にもあったように、上と下の光は別々に制御することができます。

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上にむいたアップライトは、天井を照らして反射光で影のない、やらわかい光で部屋を包みます。日本によくある天井シーリング型の照明の真逆ですが、このほうがひ光のぎらつきは抑えられるのです。

下方向には、仕切りを利用してカスタマイズされた光のピラミッドを生み出します。これがなかなかローテクノロジーで面白い。

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このようなプラスチックの仕切りが用意されていて、3.2m x 1.6 m の範囲内を 643 ルクスという明るさで区切って明るくすることができるのです。

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開くと、このように。簡単な仕組みですが、四角いデスクならその端まで光が照らしても、座っている人の顔は照らさないという調整ができます。

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模式図でみるとこのようになっており、部屋を明るくするのはアップライトの反射光で、作業のための強い光は手元だけという具合に光を二つに分けて調整しているわけですね。

価格的にも、設備的にも新築オフィス用。でもヒントは家庭でも

さて、こうした面白い設計思想で作られている Cu-Base Duo ですが、実際に導入するには天井裏に電源の工事が必要であったり、本体もかなり高価だというのがあって、あまり家庭向きとはいえないかもしれません。新しくオフィスを作る際なら、なんとか、といったところでしょうか。

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しかし、包み込む天上光と、手元だけを照らす光という考え方は、家庭でも参考になりそうです。

実際、これを意識して CSYS タスクライトの位置を変えただけで、とたんに手元の明るさが心地よくなって得した気分になっています。

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Dyson Cu-Beam シリーズには、アップライトのみの Cu-Beam up、ダウンライトのみの Cu-Beam down もあります。そして導入が大変なだけに、ダイソンの専門家が光の設計について相談に乗ってくれるそうです。

発表会では、ちょっと意地悪な質問もさせていただいて、吊り下げ型で地震のときは大丈夫? 日本の部屋の大きさや天上の高さは考慮した? と聞いてみたのですが、ジェイクは我が意を得たりといった表情でした。

「日本の照明は、画一的で似たようなものが多い。私たちはまだ調査をしているところだが、そこにはイノベーションでマーケットを切り開く余地があると考えている」

なるほど。とても勉強になりました。この照明がついているオフィスで仕事をしてみたいですね。ひとまずは、自分のデスク周りの照明の配置を気にしてみることにします。

 

 

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著者について

堀 正岳

「人生を変える小さな習慣」をテーマとしたブログ、Lifehacking.jp 管理人として、仕事術、ライフハック、テクノロジー、文具、ソーシャルメディアなどについて執筆中。2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote ライフスタイルアンバサダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、ライフ×メモ 、Climate+を運営しています。