心臓が止まるほどのAwesome。World Domination Summit まとめ
参加者の一人はWorld Domination Summitのことを “Heart Attack of Awesome” 「心臓がとまるほどすごい!」と評していました。
報告すべきことが多すぎて連続記事にしてきた WDS の様子ですが、これ以外にも基調講演やワークショップ、楽しいイベントはたくさんありました。書ききれませんので、そのダイジェストと、WDS 2012 の参加方法、そして最後に会った不思議な男の話題で締めくくりたいと思います。
次の写真は一日目午後の Danielle “Fire starter” LaPorte の基調講演の様子。「企業とは、組織とはなんですか?」という質問に対して「概念に過ぎないわ。宗教のようなもの。信じる人の心にあるもので、実体はないのよ」と答えていたのが印象に残りました。あれ、最前列に私がいますね…。
一部のワークショップはめずらしく晴天のポートランドの陽の下で。こちらは Leo のブレイクアウトセッション。む、こちらでも写真に写っていますね…。
一日目の午後になぜか突然ダンサーたちの先導で500人のボリウッドダンスセッションが始まったり。やはり最前列でノリノリのところを撮影されています…。
一日目の午後にはグループにわかれてサイクリングや、ビール醸造所の見学などの活動も。私は自転車組に混ざってポートランド中を見学していました。
こちらはトラベルハッキングのセッションでのクリス・ギレボー。
WDS 2012 に参加したい人むけに
今年の WDS に引き続き、WDS 2012 の計画がすでに開始しています。今回は 500 人の参加者をポートランド美術館に迎え入れましたが、それでも 800 人近くがチケットを入手できずにいました。次回はさらに大きな会場で、さらにスケールアップされたサミットが行われるに違いありません。
もしこの一連の記事を読んで、WDS に行ってみたいとお考えの方は、いまのうちにプレ・レジストレーションのメールリストに登録しておくことをおすすめします。チケットの発売時期についていち早く情報を入手できます。チケットの発売はこの秋に始まりますが、売りだされたら瞬間的に売り切れること必至です(今年参加した人にはすでに特別の前売りチケットがありまして、私はすでに 2012 年も参加予定です)。
英語がペラペラとしゃべれないといけないということはありませんが、となりの人と急にディスカッションをしろといわれたり、ハグをしろということになったり、いろいろと要求されますので、カルチャー・ギャップに動じない心は必要かもしれません(笑)。
WDS 2012 に行くことを考えている方はぜひツイッターで私あてに一言ご連絡ください。企みごとがありますので!
最後に会った、不思議な男
WDS 終了後の朝、路面電車に乗って空港へと向かう途中のことでした。WWDCの基調講演が進行中だったのでツイッターでそれをフォローしようとしていた私に、一人の男が話しかけてきました。
ぱんぱんに詰め込んだ3つの袋に野宿でもするのか断熱シートをくくりつけていて、頭には麦わら帽子、日に焼けて漂白されたような顔の真ん中には透明な青い目が輝いているその中年の男性は、両手の甲に「I(アイ)」という字が黒く大きく書いてありました。
「俺はこれまでの人生を捨ててきたんだ。束縛するものはすべて。家も、車も、犬も、彼女も捨ててきた。彼女は俺のことを虐めていたんだ。だから捨ててやったよ。本当はそんなことしたくなかった。でも『俺 = I』が俺であるためにはそうする他なかったんだ」彼は手の甲を付き出して、私に見せました。
私はこの奇妙な男に興味をもって聞いてみました。ちょっと意味深く、ちょっと挑発する口調で「なぜそうあらねばならないの?」と。すると彼はどことなく緊張したような表情で答えました。
「全ての答えが俺達のなかにある。どこにいくべきかも。何をするべきかも。誰に聞く必要もない。だから俺は両手に『I』と書いたんだ。もう人に何かを決めてもらうのは終わりだ。最初からそれは他人に任せられることではなかったのさ。わかるだろう?」
わかると私は答えました。なぞめいた男性は農場に行って働くのだというので、私ははなむけに WDS の昨日のセッションで腕に書いた “Taking Time” という文字をみせて幸運を祈りました。彼は Gateway 駅で乗り換えて、違う世界へと消え去っていきましたが、その印象はいまでも私から離れません。
この男との出会いは WDS という会議全体を象徴していました。同じ方向を向いた、心の通じ合う人々が週末の間だけ集結し、楽しい時を過ごしましたが、すぐに自分自身へと帰るべきときがやってきます。楽しい会議が目的ではなく、次の日から始まる生活にそれを活かすことが目標だからです。
少なくとも来年まで。WDS 2012 で再開する時まで!
追記:
WDS の写真は私個人のものをのぞき、すべて Armosa Studiosが撮影しています。