iPad で情報処理している人はタイムシフトが上手?
あまりにたくさんの情報がやってきて溺れそうだと感じていますか? iPad と Read It Later、あるいは Instapaper のようなサービスが救いになるかもしれません。
TechCrunch 経由で読んだ、Read It Later の利用に関するデータの記事が、情報処理に関するユーザーの挙動をわかりやすく示していて、示唆に富んでいます。
始めに説明すると、Read It Later はいわゆる「あとで読む」サービスなので、ユーザーがサイトをあとで読むためにセーブしたタイミング、そしてそれをどのデバイスからアクセスして実際に読んだのかという情報をもっています。それをグラフで示したのが以下です。
まず、これが記事が「あとで読まれる」ために保存された時間のグラフ。情報の入力はほぼ日中休みなく行われているのがわかります。
それに対して、保存した情報を実際にパソコン上で読んでいる場合の時系列がこちらです。保存された時間に対して若干の遅れをもって、夜にピークをもった形になっています。これはつまり、パソコンの前にすわっている人は、一日中情報にアクセスしていることを示しています。
それに対して iPad を利用しているユーザーの、iPad から記事を読んでいる時系列がこちらになります。職場で iPad をだしてブログを読むわけにはいかないというのもあるかもしれませんが、記事が読まれるのは夜に集中しています。つまり保存された時間と読まれる時間の間にタイムシフトが起こっていることになります。
タイムシフトを意識していますか?
メールもそうですが、一日中受信箱に入ってくるメールをその都度読んでいると、仕事はメールが入るたびに中断してしまいます。
それよりは、メールをチェックする時間帯を昼前・夕方といった時間に集中させることで効率化することができます。
情報処理も同じです。興味のある記事をその場で読むのではなくて、情報処理のためにとってある時間にむかって意識的にタイムシフトさせることで、時間を集中させることができます。
また、夜は時間が限られているでしょうから、限られた時間で最も面白そうな記事だけを読むようになりますので、きっと情報のダイエットにも効果があります。
もう一つ大事なのは、TechCrunch の記事でも指摘されているように、iPad によって人々が情報を消費している時間帯が、テレビのゴールデンアワーと重なっている点です。iPad 上でRead It Later を使うほどのリテラシーをもっている人は選択的にTVではなくネットで能動的な情報インプットを行っているのだということでしょう。
一日はどうがんばっても24時間。情報の流れを効果的に分流させて、最も自分にとって面白い、美味しい部分を限られた時間で味わいたいですね。