より高いパフォーマンスのために10時間の睡眠を?

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長く眠れば、それだけ日中のパフォーマンスが向上する。当然すぎてもはやライフハックでもなんでもないわけですが、でも考えさせてくれますね。

NPR の記事によれば、睡眠がパフォーマンスに与える影響を調べるためにスタンフォード大の研究者がフットボール選手に対して行った実験で、10時間に近い睡眠を続けるよう指導することで日中の倦怠感が少なくなり、40ヤードをダッシュするスピードが平均値で速くなった(たった0.1秒ですが、複数の人が何回もダッシュした結果の平均値なので有意…と解釈してます)という報告があるそうです。

また同様の研究で、子どもが小さいうちから「眠る時間」のしつけがある場合とない場合とでは、定時で眠る習慣がある子供のほうが語彙能力が有意に高いという報告もあったそうです。

そのまま信じるのは危険。でも24時間を見直すヒントにはなる

ただ、元の論文を読んでいないのでわかりませんが、この情報をそのまま信じるのは危険かもしれません。

たとえばフットボールの例だと、少しずつ睡眠時間を伸ばした結果効果が出たといいますが、単にシーズンが進むにつれて鍛えられただけかもしれません。また、早く眠るように子供にしつける親には、共通したライフスタイルがあってそれが子供への教育に焼き直されているだけともいえます。

とはいえ、仮に「8時間睡眠」では足りないという人が8時間で十分だろうという 24 時間サイクルを設計していたら、その人は慢性的な倦怠感でどれだけのパフォーマンスを失っているのかと考えるきっかけにはなります。

2時間多く眠ることで起きている時間に 20% 効率が上げられるならトレードオフはゼロです。20% は難しいとしても、2時間たくさん眠っているという満足感をそこに投げ込めばなんだか眠った方が得なような気がしてこないでしょうか?

最適な睡眠時間を求めて、実験的に数週間多めに眠れるように 24 時間サイクルを変更してみるというのも手かもしれません。

睡眠時間についてのアンケートもサイドバーに用意しましたので、よければお答えください!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。