あまりに基本的な人生の4つのルール

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今週は悲惨な事件が次々に起こり、それこそニュースなんてみていても腹が立つか悲しくなるばかりで何の得になりませんでした。

いろんな事情があるにせよ、いろんな怒りや失望があるにせよ、とにかく人を傷つけちゃ駄目だろう…。基本だろう…? と思わずにはおれません。基本に忠実であることは、複雑な世の中だからこそ、なお大事なことではないでしょうか?

今日はそんな人生の基本ルールについて。

ペンとナイフ

ペンは剣よりも強しといいますが、ずいぶん前「キレる子供」が話題になっていた頃に、当時私が講師をしていた塾の子供がこんなことをきいてきたことがあります。

「先生、俺がナイフ持ってきて先生を脅したらどうする?」

彼の口元はいたずらっぽく笑っていましたけれども、目はどこか大人を試すようで、答えを求めているようでした。ははーんと思い、私は多少演技もこめて即答しました。

「殴って目を覚ます」

「だって先生、ナイフだよ。殺されるよ?」

「うるさい。『人を傷つけない』のは基本だ。基本がわからないやつは俺が体で教えてやる。だから殴る」

「むちゃくちゃだよ…」

彼はそうはいいながらも、私の目が節穴でないなら、ちょっと嬉しそうだったように思います。思春期で外からいろいろな影響をうけて価値観が揺らいでいるときでも、守るべき基本ルールはナイフよりも強いのだと気づいてくれたなら、嬉しいです。

問題が複雑なら複雑であるほど、基本のルールで答えが見出せないか、基本ルールに忠実かどうかをチェックすることが、悩みをまず簡略化することにつながります。私が演技をこめて彼に教えたかったのはこういう点です。

人生の4つの基本ルール

人生にもそんな基底ルールはないでしょうか? 聖書の十戒でもいいのですが、もうちょっと簡略化したものが冒頭の画像です。

これは Stefan Sagmeister が TED の講演で「幸せをもたらすデザイン」というタイトルで話していたときに紹介していたものです。人生のルールが簡単に4つ示されていて、ユーモラスで奥深いです。人生のルール、それは:

  • 楽しもう

  • 人を傷つけてはいけない

  • 敗北を受け入れない

  • 幸せになるよう努力する

たったこれだけです。他の複雑なことはすべてこの4つのあとにやってくるものだというわけです。たしかに、これ以外のルールは、この4つから溢れ出しているように思えます。何も付け加えるべき点が見出せません。

世の中が複雑で大変なのはしかたがありませんが、これくらい簡単で基本的ルールを、サッカーで言うなら「手をつかわない」のと同じくらい忠実に守る努力をするだけでも、世界はエキサイティングで、ずいぶんと良い場所になりそうですね。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。