だれもが一度はやる? GTD の7つの失敗例

fall.jpg A Roadmap to Spectacular GTD Failure | The Craning Widget Blog

GTD のワークフローは覚えるだけだったら3分もあれば十分ですが、身につくまでは3年でも足りないのではないかといつも思います。さまざまな場面に落とし穴があって、習慣付けを困難にしているからです。

The Cranking Widget Blog に、7つのありがちな GTD の失敗の原因が書かれていて「ああ、こういうことあるある」と思わず頷いてしまいました。その7つとは:

  • ウィークリーレビューを定時にやらない

  • タスクやプロジェクトの名前をあいまいにする

  • プロジェクトの終了条件がはっきりとしていない

  • GTD を仕事だけでやり、家にはもちこまない

  • ファイリングシステムが整理できていない

  • ペンと紙を持ち歩かない

  • メールの「受信箱」を ToDo リストのように使う

このうち、「タスクやプロジェクトの名前をあいまいにする」や「終了条件がはっきりしていない」というのは、一言でいうならアクションに落とし込んでいない、という状態のことです。

私もよく ToDo リストに「プロジェクト A にとりかかる」といった感じの行を書き込んでから、「とりかかる」ってどういう意味だ? 何が終わったらこのタスクは消せるんだ? と自分につっこんだりしています。

私のばあい、タスクやプロジェクト名がこのようにあいまいになるのは仕事がプランニングの段階にあるときです。つまり、「やるべきこと」がまだ固まっていない状態にあるときには「仕事について考えよう!」とか「プロジェクトを始めよう!」といったあいまいな文句がついつい並んでしまうのです。

何度も失敗しているうちに気づいたのは、こういうときは**「12分ダッシュで次の仕事についてマインドマップする」とか、「仕事のアジェンダを3つ考える」という具合に、プランニングする行動自体を記述しておく方が効果的**だということです。そのアイディア作りの「行動」が終わった時点で、強制的にそのタスクは「終了」ということになります。

プランニングや企画作りに関するタスクは実行しても答えがでるとは限りません。しかし、「アイディアがでない!」ともんもんといつまでも ToDo リストの最初の項目でひっかかっているよりも、アイディアを生み出すための行動や仕組みを実行し、とりあえず思いつくものだけで先に進めてゆく方がストレスが少なくなるわけです。行き詰まったら、またもう一度戻って今度は別の手法で繰り返すまでです。

ここまで考えると、GTD の力の大半はタスクの中身にとらわれずにどこまでワークフローを忠実に実践できるかによって生み出されているのだなとあらためて納得しました。そしてタスクを明確にすることは、とりもなおさずアクションを明確にすることでもあるわけです。

私もまだまだこのあたりは不十分です。毎日が修行ですね。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。