アルゴリズムと手動の両方でMediumの情報をすばやく網羅する
情報はそこらじゅうにありふれているとはいえ、大事な情報は向こうからひとりであなたを見つけてくれるわけではありません。ですから、アンテナを立てて、方向を定め、耳をすませることが必要になります。でもどこに、どんなアンテナをたてて、どう情報を絞り込めばいいのでしょう?
昔ならばこれはブックマークを整備することでした。ブックマークにあるウェブサイト回覧すれば必要な情報が集まるという手動の方法でした。その後、これはブログやウェブサイトの更新を受け取る RSS リーダーの編集という形に進歩しました。
いまでは、情報は SNS を中心に流れるうえに、その SNS でさえも Twitter / Facebook ともに激しくタイムラインはアルゴリズムによって編集されているので、ふだんの閲覧や「いいね」といった行動が表示される情報に反映されていきます。
こうしたアルゴリズム・タイムラインでの情報との出会いの最前線が Medium といえますのが、今回はそこでの情報収集法について紹介したいと思います。
アルゴリズム・タイムラインと、網羅したい欲求
Medium にアカウントをつくり、興味深いアカウントや Publication をフォローしてゆくと、自然にタイムラインが形成されていき、情報の流れが出来上がります。
Medium にはこれ以外に、タグをフォローすることによって、それに関連した記事がタイムラインに自動的に表示されるという機能があります。
これがなかなか強力で、”Journalism” などといった一般的なタグで網をはってまっていると、たとえば偽ニュースについての話題が盛り上がり始めた2016年9月ころにはそうしたシグナルを早期に捉えることができました。日本で話題になりはじめる2ヶ月ほど前ですね。
このタグでフォローするという機能は、私が個人的に知らない書き手の知らない Publication であっても、タグが適切に振られているならば、興味ある人のもとにそれが表示されるというアルゴリズム・タイムラインの「鈎」の役割を演じています。
しかしこの機能はあまりに強力すぎて、Medium アプリで記事を追っていると常に知らない書き手の、知らない記事が流れてゆくことになり、それはそれで負担に感じます。
信頼のおける、興味を抱かせる書き手であるかをいちいち判断するのではなく、いつもの Publication の、いつもの記事をすべて追いたいという欲求も生じるのです。
MediumのプロフィールとPublicationのRSSを使う
そこで単純ですが、Medium の書き手と、Publication に発行されている RSS を使っている RSS リーダーに登録してすべてをタイムリーに読むことができます。
macOSで人気のReederならば、RSS のURL をわざわざ探さなくとも、Publication の URL を追加欄に入力するだけで自動的に RSS の有無を調べてくれます。
あとは “Medium” などといったタグを Reeder 内で与えておいて、すべてを読んでいきます。記事は全文表示ではないのは痛いですが、Medium 文化ではタイトルがかなり重要となっているので、たいていはタイトルで判断して飛べば当たりを引くことができます。
こうして、Mediumのタグで網をはり、偶然やってくる個人やPublicationを次々にフォローし、いいねをつけてタイムラインがアルゴリズムで編集されてゆくのを促して、さらに興味ある記事が偶然流れてくる仕組みをつくりつつ、裏では信頼したメディアは必ず絨毯爆撃的に読む態勢を整備しておきます。
アルゴリズムを味方につけることが2017年の決め手
2016年はアルゴリズムや、キュレーションの力が躍進するとともに、偽ニュースの跋扈によってその限界が見えた年でもありました。
情報をすばやく集めている立場の人は、これまで以上に自分自分の情報のフィルターを作る技巧が試される時代でもあるのですが、短期的にはアルゴリズムを味方につけて探す部分は機械にやらせて、網羅する部分は人間がやるという分業がもっとも効率がよい気がします。
これはMedium にかぎらず、いくつかのサービスでヒントとなる考え方でもあります。たとえば Instagram や、Twitter などでも、ハッシュタグとタイムラインの関係は似たような構造になっています。
これは妄想になりますが、できれば人間の思考や投稿の種類にもハッシュタグをつけて、「本を勧めているツイート」だけを集める、「◯◯についての視点」だけを集める検索があると助かるのですが、それはきっと今後なのでしょう。
参考記事: Mediumと個人ブログとの違いを読み解く1つの図 | Lifehacking.jp
(今日やったこと)
去年からずっと読みかけで終わっていなかった本、グスタフ・マイリンクの「ゴーレム」を読了できました。これについては、ライフ×メモで記事にしましょう。
(明日の予定)
おそらく、ガジェットについての記事を一つ紹介できる流れになるはずです。