「知的生産と情報発信のイベント」大阪グランフロントにて無事開催しました

11月3日に大阪グランフロントCafe Laboにて「元祖ライフハック=「知的生産の技術」とセンスを磨いて情報発信の達人になるには?」という長い名前のイベントを開催しました。達人ってなんだろう(笑)。

私にとっては、ずっと親しんできた梅棹忠夫先生の人生の作品である国立民俗学博物館を訪問し、そこに先日刊行した「知的生産の技術とセンス」を見ることができた、感慨深い日となりました。

イベントの前に、共著者のまつもとあつしさん、編集者、そしてゲストの倉下さんの一行で千里万博公園のなかにある国立民俗学博物館に向かいます。

この日はちょうど特別展「イメージの力」が開催されていて、民俗の伝統のイメージがいかに作られるのか、伝えられるのかという力強い展示を見ることができました。

この展示の素晴らしいのは後半、文化と文化の触れ合いがいかに新しいイメージを生み出し、伝統に新しい形が今も与えられているかを展示で示した部分です。

しかしこの後イベントも控えていたのでここは早足に。本当に惜しい。また行きたい!

博物館内のレストラン「みんぱく」で昼食。アジアンカレーが素晴らしい。もう少し辛かったらよかったのですがそこは子供も食べられるようにという気づかいでしょう。

ミュージアムショップには梅棹先生の本に並ぶように「知的生産の技術とセンス」が。先生、おじゃましています。

ここではポップも置かせていただきましたので、ここでしか読めないメッセージも書き残しておきました。

なんというのか、ここまでこれたことに、感謝です。なんという非現実感。

外に出るとまた非現実なのが歩いていましたが大阪では普通のことなのでしょうか。

さて、会場には監修してくださった小長谷先生もお越しくださり、イベントに先駆けてありがたいお言葉をいただきました。

「この本は梅棹を知らない人が彼に出会い、梅棹を知っている人が知的生産の今を知るために良い」

ありがとうございます!

イベントはまつもとあつしさんから情報発信のインプット編、私からアウトプット編をそれぞれお話しさせていただき、今時の情報発信におけるハードルや、考え方を紹介しました。

特に私のパートではこのブログを始めた経緯を詳しく書きながら、どんなきっかけからでも知的生産は始まることについて、多少煽り気味に語りました。

最後のセッションではブログ R-style の倉下さんをお迎えして、私たち共著者二人とはまた違った、三者三様の知的生産の現場について話しました。

考えれば考えるほど不思議なのはこの三人、誰かが「書け」と命じたわけでもない、何かの学堂や先達から「書く資格がある」と言い渡されたわけでもない、悪い言い方をするとウェブで調子に乗っている書き手だという点です。

しかし、そうした一歩前に出る行動が、自分のなかの興味の微粒子を成長させるのでしょう。

日常的に考えたこと、気になったこと、調べたこと、思いついたこと。それらを気負わずに書いてみる、というのは案外大切なことです。それは自分の関心に敏感になるということですし、鏡を覗き込むことでもあります。

R-style » 普通の知的生産がある生活

鏡を覗き込み続けた結果、倉下さんは今の倉下さんになり、私もきっと今の私になったのでしょう。

私は特に何かに秀でていることはないのですが、ひとつだけ誇れるのはまだ書くのをやめてはいないというところです。これからも何かを書く限り、なにか読者の皆さんにお役に立てることもあるのではないかと希望が持てます。

本書を読んで、調子に乗ってうっかり自分の作品を発表してしまう人、うっかり何かを発信してしまう人、さもなくば沈黙しかなかった場所に最初の言葉を生み出す人が一人でも増えるきっかけになればとても嬉しく思います。

イベントに来てくださった皆さん、中には東京や広島からお越しくださった皆さん、そしてスタッフの方々に感謝します。

Keep on Writing.

p.s.

東京でもイベントを予定していますので、近日中に詳細をアップ発表する予定です。もう少しお待ちを!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。