「タスク」を軸にメールの再発明を目指す MailPilot

複雑な問題にはえてしてシンプルな解答があるものです。MailPilotは、メールの受信箱という化物のような問題に「タスク」という答えを与えることを目指します。

MailPilot はまだ製品化されていない、出資を募っているKickstarter プロジェクトですが、何をどのように解決しようとしているのでしょうか?### 1. すべてのメールは「未完了」として扱う

Complete

いまのメールソフトは、すべてのメールを「読んだか」「読んでいないか」という軸で整理しますが、MailPilotは「メールのタスクを完了したか、していないか」という軸に整理します。

読んでいたとしても、対応すべきことが残っているメールについてはチェックボックスが埋まらないですし、しかもメールを届いた順番ではなく、「タスクの期日」「優先度」などで整理できるわけです。

2. メールを GTD 的なレビューシステムにする

Review

ではタスクがメールに存在するかどうかをどのようにチェックするかというと、メール一つ一つにレビューすることができるようなシステムを被せることをします。

来週まで対応する必要がないメールは時間的に未来に「転送」してもいいですし、今週届いたメールをレビューするといったこともできます。

3. 既存のメールシステムに組み込む

MailPilotはこうした考え方を Gmail や iCloud のメール、Yahooなどといった既存のメールと組み合わせ、さらには Mac / Windows / Linux / iOS / Android でも利用可能にすることを目指しているそうです。うーん、野心的ですね…。

また、コンタクトを中心としたメールタスク管理や、秘書機能なども盛り込む予定らしいので、なかなか期待です。

でもこれで十分か?

野心的なプロジェクトである MailPilot ですが、ちょっとしたデジャヴ感もあります。

そもそも考え方が Merlin Mann の Inbox Zero に似ていますし、メールに秘書機能をつけるサービスなら、すでに閉鎖した I want Sandy が思い出されます。

メールをタスク化するという考え方も、Gmail がタスクを実装しているのを利用したり、未読・既読・スターを上手に利用すれば実装できそうな気もします。

しかし複雑になりがちな問題を UI で解決するというのが、最近のウェブサービスの有り様です。MailPilot がどのようにこの考え方を実装するつもりなのか興味があるので、私も少額ながら出資してみることにしました。

あと一日程度の間、出資金を出すことができて、参加者にはベータプログラムへの参加や、最初の数カ月の利用が無料になるなどのメリットがありますので、興味のある人は参加してみてください。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。