[Lifehack Begin] 第7の習慣:ダッシュで作業をする

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ポモドーロ・テクニックという手法が、一種の時間管理術としてよく海外のライフハック系のブログでも話題になります。ポモドーロというのはトマトのことで、日本のキッチンでよく卵型のタイマーを見かけるのと同じように、海外ではトマト型のタイマーがあるので、それにちなんで名付けられています。

ポモドーロ・テクニックは、25分のセッションで仕事をして、5分休憩をするという手法です。ポモドーロでもいいのですが、私はむしろ、さらにさかのぼって 43Folders の Merlin が「ダッシュ法」と名付けた、「自分にぴったりの緩急をつけよう」という考え方の方が性にあってます。

Merlin のダッシュ法には3種類があります。

時間ベースのダッシュ:これはポモドーロと同じですね。ただし、集中48分:休息12分の割合であったり、集中10分:休息2分 x 5回 = 1時間だったりします。人にはそれぞれの息継ぎの長さがありますし、仕事の種類によっても単位時間は違うので、ペースを選ぶわけです。

ユニットベースのダッシュ:これは「先送りにしていた書類を5ページだけ読む」とか「1段落だけ執筆する」といったように、集中力が持続する単位を選んでダッシュをするというものです。これは、単純作業の繰り返しだったり、細かいタスクに分解可能な仕事で効果を発揮します。

複合ダッシュ:上の二つを組み合わせて、ずっと先送りしていた仕事を「5分だけやる」か「1段落だけ執筆する」といったようにどちらかのフラグが立ったら休息してもいいと自分にいいきかせてスタートダッシュをする方法です。多くの場合、先送りしている仕事にはこれが最も効果があります。一段落が執筆できなくても、5分たてば開放されるというのが心理的なハードルを下げているのです。

大事なのは、「25分」といった単位が、手に付けるのを避けている仕事に向き合う力を与えてくれるわけではない、という点です。

子供の頃、私は 1500m 走がとても嫌いでした。喘息持ちの私には1000mあたりに壁があって、1000m以上の数字はどうしたところで「私の持久力」の指標にはならなかったからです。

ダッシュで作業をする極意は「どれだけ進んだか」ではなくて「どれだけ手をつけられたか」です。調子にのって仕事ができているときには、燃え尽きるのさえ注意していればダッシュ法を利用する必要はないからです。

どうしても先送りにしている仕事がありますか? (私にもあります)

5分だけ、あるいはほんの一歩だけ進めてみませんか?

それが始まりのダッシュです。

それでは次回まで。

Happy Lifehacking!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。