夏休み特集 (2) アナログ・メーリングリスト...みたいなものは如何?

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夏といえば旅行、でしょうか。私は田舎が遠かったのでそこに行くだけですでに旅行でしたが、旅好きの祖父がそこからさらに遠い場所まで連れて行ってくれたのがよい思い出です。一回の旅でニューオリンズとナイアガラの滝の両方を車で行くというアメリカ横断ならぬ縦断 + カナダの旅をしたこともありますが、それも壮絶な思い出です。遠出をするのはいいものですが、この年になると遠出をするのにも体力がいるのだなと実感しますね。

旅行先から絵葉書を投函するのも何度かやっていましたが、好きな人に絵葉書を出すのはいいとして、自分の手元にあまり何も残らないのはいつも寂しい気がしていました。だからといって投函しない絵葉書ばかり買うのもなんですし、自分に投函するのは不毛だし。

じゃあ、自分が人に送ると同時に、人から自分に届く分も同時に増やしてしまえばいい、というわけで考えついた馬鹿な思いつきが「アナログ・メーリングリスト」。というか、単なる絵葉書クラブのようなものです。

やり方は簡単。あらかじめ気のあった友人や、いつも面白い旅に出かける数人のグループを作っておきます。この人たちとはふだんから「どこかに旅行にいったら、このグループ全員に絵葉書を送る」というアイディアを立ち上げておき、実際に旅に出たらこの人々全員に同じメッセージで葉書を送ります。効率化のために、メンバー全員にプリントアウトした住所録を送っておくのが無難です。

文面は、個々のメンバーに向けての追伸は別として、同じメンバーに同じメッセージですので、文章を考えるのは一度。短めにしておけば書くのも割とすばやくできます。メンバーをちゃんと選んでおけば、メンバーが旅行をした回数だけ絵葉書が届くわけです。

予想だにしない場所から葉書がとどいてびっくりするというのも良いものですが、あとでメンバーで集まって宴会をするときなどに話のネタができて楽しいものです。これまで試験的に2,3人でやってみたことがありますが、今年は海外にいる人も含めて5人までリストを増やして実行してみようかと調整中。

「なんだ、ただの文通か」と言われればその通りなのですが、こんなメール全盛時代であっても、Snail Mail には一定の意味があると思います。一つは何十年経っても残ること、二つめに筆触のもたらす、独特の親近感です。全ての人に手紙の手紙を出せる世の中ではなくなってしまいましたが、大事な人にだけ手で葉書を書き送ると、きっといいことがありますよ。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。