Web2.0 的アドレスブックはどこだ?
先日からウェブ上のコンタクト管理サービス、Plaxo ver3 を使おうとして…挫折しています。どんなにやっても Mac OS X のアドレスブックを同期してくれませんし、GMail のコンタクトもうまくいってません。Google Calendar のデータだけは共有できましたが、これでは何の意味もないです。それなら今入っている .Mac で十分、というわけであきらめました。
しばらく前に、Tim O’reilly が「Web2.0 アドレスブックはどこだ? 」という記事を書いていて、その次の月にもしかしたら Grand Central がそれかもしれない 、という記事を書いています。全ての人間が MySpace や LinkedIn や FaceBook に加入するというのは現実的ではないけれども、全ての人間がネットに接続して、メールアドレスなどのように一意に決定できるコンタクトを持つことはできま す。それをレバレッジしてネットワーク効果をもつアドレスブックができないものか、という内容の、いつものことながら考えさせられる記事でした。
先日その GrandCentral が Google に買収されたというニュース を知り、改めてこの記事のことを思い出しました。Grand Central は一つの電話番号に携帯や自宅、職場の電話などを関連づけておき、どのコンタクトがどの電話をならすことができるかを制御したり、かけてくる人間をスク リーニングしたり、一人一人に個別の音声応答を設定する、といった挙動を制御できるサービスです。ただここで注目したいのは、Grand Central は電話が主ですが、アドレスブックの機能も提供している という点です。
ほぼ同時期に Google Apps でコンタクト共有機能が追加されたり など、いろいろタイミングの良いことが重なっているので、一部では、Google Addressbook の開発が進むのでは? というささやきも聞こえ始めています。本当にそんな計画があるのだとしたら、先日の iPhone の話 とも一部重なりますが、次のような機能が実現してくれると、自分の人生は非常に楽になってくれます。
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ネットワークで共有:Mac OS X アドレスブックの共有機能(他人が自分のアドレスを編集可能にする)はなかなか便利です。でも他に Mac の人がいないとあまり意味がないんですね。前略プロフィール などが携帯を通じて爆発的に広まったように、やはり携帯で、メールで相手にとばせるようでないと普及しないのか。
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複数のペルソナをもてる:職場にいる自分の情報、友達と共有する情報、ブログで書いているときのペンネームなど、自分という人間は一人でも帯びている役 割は複数あります。職場のアドレスブックには携帯の電話番号は載せるけど、自宅は載せたくないという場合があるかもしれません。ブログのプロフィールは メールアドレスは公表するけれども、顔写真はイラストに変更して、住所などは載せない。そんな自在のカスタマイズをペルソナごとに行うことができる。
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何をどこまで公開するのかを支配できる:Mixi の「友人まで公開」や「友人の友人まで公開」という制限は割合うまくいってると思います。自分のコンタクト情報をペルソナごとにアクセス制限をかけられると非常に便利。
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自動的な情報波及:住所や連絡先が変わったら、自動的にそれが登録されているコンタクトの全員のアドレスブックに波及してゆく。年賀状の季節になるときつ も思うことですが、他の人の住所や電話番号が変わるたびに、周囲の人が同じ編集をくどくど行わないといけないのは、このネットの時代で実に無駄な気がします。
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カスタム情報を加えられる:相手の名前は田中さんでも、自分にとってはあだ名のターザンのほうがリアリティがあ る場合に、相手からプッシュされてくる情報に加えて、あだ名のフィールドや、メモのフィールドを追加できると、アドレスブックを自分流にカスタマイズでき て良さそう。
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オープンスなシステム:技術的には上のようなことができるでフォーマットは vCard だとか FOAF という形ですでに実在するのですから、それを万人に使いやすく、かつ、ある一つのサービスが独占できないように作れないものか。
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人間を検索:プライバシーを守る形で、つまり自分が選んだペルソナで自分を登録しておくことで、同じ趣味をもっているひとなどをリアルタイムに検索して り、他人に検索されたりできるようにする。このアドレスブックのスタンダードに、各ソーシャルネットワークが対応していていけば、FaceBook と MySpace を横断して検索したりといったことも可能になるかもしれません。サービスが主体ではなくて、人間が主体。
Plaxo はいろいろいい線まで行ってたので、自分の環境で使えなくてちょっと残念。他に「こんなサービスあるよ」というのをご存じの人がいたら教えてください。