Getting Things Done (a.k.a. GTD) part (2)
頭のなかから取り出したアクションをどのようにしてやっつけてゆくのか。そしてアクションの整理の仕方などを紹介します。基本的には GTD 本からの受け売りを5分で読めるようにまとめました。詳細は原典を参照してください。
Inbox に放り込む
「車検の予約を入れる」、「メールの返事」、「旅行の計画をたてる」、「ホームページの更新」、「整理整頓」、「新しい本を読む」、などなど。頭のなかから取り出した全てのアクションは、小さなものから大きなものまで含めると少なくとも百近い「やること」のリストになっているはずです。
こうしたものはすべて Inbox と呼ばれる受け皿にとりあえず保管しておきます。一枚の紙でもいいですし、コンピューターや Palm 上の ToDo でもかまいません。とりあえず頭のなかからとりだしておくことが重要なのです。
アイディアだけでなく、机のなかの雑多な荷物にも同様の手法を当てはめる事ができます。どうしていいかわからないものは、とりあえず一つの箱か何かに積み上げて、机の周囲をまったく何もない状態にまでスイープしてしまいます。同様に、コンピュータでも同じような事ができます。雑多なファイルや、どうしていいかわからないメールをすべていったん、Inbox というフォルダのなかに放り込みます。
この作業には、少なくとも一日、絶対に邪魔されない環境を作ってやるのが一番だと David Allen は勧めています。途中で仕事が入ったり、他人に邪魔される事がないようにして、頭の中のバッファをいったん完全にクリアにしてしまいます。
また重要なのは、Inbox は整理してはいけないということです。整理整頓に時間を費やさず、とにかく放り込んでしまい、「自分にとって必要なものはすべてこの中にある」という安心とともに、忘れてしまいます。
Do, Delegate, Defer
さて、こうしたあつまった全てのものを、今度は一つ一つとりだして信頼のおけるシステムのなかに置き換えてゆく事をします。例えば Inbox から一枚の紙を取り出したとして、それは提出しないといけない資料だったとします。そのとき、「これは実行できるものか?」と自分に問いかけます。書類に対しては「書いて」「提出する」という行動をとることができますので、答えは「yes」です。Inbox から取り出したのが 「去年の会議資料」 だったら今は何もすることはできませんので答えは 「No」になります。
行動をとることのできるものだったら、次に「これに対して、次に何をできるか?」という質問をします。 この質問に対しては、次の三つの選択から答えを選べます。
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「やってしまう」:2分以内で片付くもの。メール、ファックスなどだったらやってしまって片付けてしまいます。
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「任せる」: 自分以外の人に任せたり、調整が必要なものだったら、その人にむかって送り出します
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「先送りにする」: 今日中、明日、または特定の日時にやるべき仕事だったら、その日のフォルダーに向かって “Defer” つまり回送します。
もしその書類が「片付いた」と言えるようになるまでに「執筆」、「改訂」、「他人との調整」、「提出」といった複数のアクションが必要な場合は、これは「プロジェクト」と認定して、個別のフォルダにいれてその表紙にアクションの順序を書き込んで保管します。
重要なのは、Inbox をスキャンしているこの段階では、仕事そのものを始めてはいけないということです。 Inbox をスイープするのは、一つ一つの物体に対して、「次にこれに関連してやるべきこと、次のアクションは何だろうか」を判断する事、この一点に限られています。
この作業が終わると、「今日」のリストには今日やらないといけないアクションが、「明日」のリストには明日やらないといけないアクションが羅列されるようになります。
さて、とりだした物体が行動を起こす事の出来ないただの本だったり、カタログだったらどうしましょうか? その場合は、その「もの」は「ごみ」か「資料」か「いつか/もしかしたらやりたいもの」のどれかに分類されます。
「ごみ」は単純に、行動を起こす事の出来ないもので、とっておく価値もないものです。捨てて片付けてしまいましょう。「資料」というのは「ごみ」と見分けが付きにくいですが、「他のアクションをしているときに参照する必要があるもの」という基準で見てゆきます。例えば現在書いている論文に関連している資料だったら、その論文のための資料箱に分類する等して、アクションと関連づけて格納します。
「いつか/もしかしたらやりたい」というのは、現在は何も行動を起こせない、でもいつかやりたいと思っている事を入れておきます。例えば「フランス語を学ぶ」という行動はこの一覧表に加えておきます。
こうして、机の上の全ての物体、パソコン上の全てのファイル、頭の中の心配事の全てに対して 「次に何をしたらこれを一歩進めることができるか」 というアクションが付与されたことになります。あとはこのアクションリストの上から仕事を実際にこなしてゆくことをします。
実際にはコンテキストという概念を導入して、もっと仕事を効率化しますが、このことについては、また次回。