Timely、個人もチームの時間も記録できる時間トラッキングサービス

日中にどんな作業を、どれだけの時間おこなっていたのかを自動的に記録する時間トラッキングサービスには、いくつかの定番があります。

パソコン上のすべての作業をアプリ別、アクセスしているURL別に自動的にモニターしている Rescue Time。設定したプロジェクトに何分従事したかを簡単にメモすることができる Toggl などです。

しかし、これらのサービスはスマートフォンがここまで主流になる以前に開発されたという事情もあって、少し現状に合わなくなってきている部分もあります。

そこで最近注目しているのが、Timelyという、RescueTimeとTogglを足し合わせたようなサービスです。ここに、最近発表された Memory という機能が加わって、スマートフォンとパソコンからの全方位のトラッキングがぐっと現実味を帯びてきます。

Timelyの考え方

Timelyは、記録を取りたいと思っているプロジェクトをあらかじめ定義しておいて、それに対してトラッキングを行うという形式をとっています。

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たとえばこれは Timely の週表示の画面ですが、シンプルに記録した時間が縦方向にスタックされています。

時給換算で課金されるようなプロジェクトについては、時間に応じて金額が表示されています。

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こちらが入力画面で、プロジェクトに対する作業名、記録を取った時間の長さなどが設定できます。ここでタイマーを開始してログを開始してもいいですし、「今日は2時間行う予定」と、未来の予定をあらかじめて入れておくこともできます。

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同様のインターフェースを、Timely の iOS アプリからアクセスすると、ほぼ同じように編集できるようになっています(Android版は現時点では開発中)。

Memory機能で、自動トラッキング

最近 Timely にベータ版で追加されたのが、Memory という、自動トラッキング機能です。開発者のかたにお願いして早めにアクセスさせていただいたのですが、これがなかなかにすばらしい。

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たとえばこれは Timely を Memory 付きで表示させた画面ですが、左側にこれからトラッキングした時間を積み上げてゆく空欄があり、右側に一日をどのように過ごしたのかが、スマートフォンやパソコンから自動で情報が蓄積されています。

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Memory はスマートフォン上で GPS に従って行動を自動記録するアプリ Moves の情報や、Google カレンダー、Office といったサービスと連携して、いつどこにいたのか、移動中だったのか、会議などのイベント中だったか、パソコンで作業していたのかを時系列でまとめてくれます。ブラウザを開いていたのなら、その URL なども表示されます。

スマートフォン側は Timely アプリと Movesを、パソコン側は Timely のトラッキングアプリをいれておくだけでこの情報が自動でまとめられるのです。

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Memory機能がここまで情報が蓄積していると、タイマーなどを仕掛けるのを忘れていても、ここからここがプロジェクトに従事していた時間だとすばやく判断してあとで編集することが楽になります。

上の画面のように、オフィスにいて、Word を立ち上げていた時間を「書籍」プロジェクトの時間だと判断して記録できるのです。

記録に特化したサービス

こうしてみると、Timely は記録の手軽さは RescueTime に近く、設計の思想は Toggl に近い、両方のよいところをとったサービスだというのがわかります。

また、この二つに比べて充実しているのが複数のユーザーを「会社」という記録テーブルの中にまとめて管理することもできるチーム管理機能です。小さな組織の進捗管理には手軽に、安く導入できるでしょう。

Timely はまだまだ開発中ということもあって、ところどころ日本語入力にバグがあったり、円換算の表示にバグがある場所もありますが、それらは今後修正されてゆくと思います。

スマートフォン時代にあわせて進化した時間トラッキングサービスとして今後も期待したいと思いますし、時間があったら、細かい使用方法についてもまとめていきたいと思います。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。